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好きだと愛してくれて、
気遣ってくれて、
こんなに優しいあなたなのに、
『嫌いになれると思うの？』
なんて可愛くない聞き方。私はいつだって可愛くない。こんなに優しくされたって、素直になるのが恥ずかしかった。
「なら、」
彼は一瞬嬉しそうに、しかしすぐ眉を下げ、手首を掴んで帰るのを制止する。
こんなにもいい雰囲気なのだが、身体は容赦なんてしてくれなかった。
『っ、ゲホっ、ン゙ッ、』
「！、落ち着いて、ゆっくり息をして」
『ゴホッ、ぁ、っ』
咳が止まらなくて、喉の奥がイガイガして、痛い。
背中を優しく撫でる手で、やっと落ち着いてくる。
「前からずっとそうだよね。ほんとに風邪なの？」
『風邪と断言した覚えは……ン゙ン゙、喉が変…………』
「ねえ、病院行こう」
『もう行った』
「いつ？」
『結構前』
いい加減咳の音がうるさいと怒鳴られたので、渡された金で病院へ行ったのだ。
なんか難しい単語ばかり並べられてよくわからなかったが。
単刀直入に言うと、私のこの症状は、
『治らない病気だって言われた。治らないから、放おっておいてる』
薬もなくて、このままだと終わりも近いんだと。
そんな顔しないでよ。全然苦しくないし、辛くないよ。私より悲しそうな顔しないで。
『だから、あなたといる時間は大切にしたかった。いい終わり方にしたくて、言うつもりはなかったんだけど……』
どうしてかな。怖くなってきちゃった。一人で寂しく死ぬのかな。怖いな。嫌だな。
『家で大人しくしてればよかったのに。冷える夜に毎日出かけるなんて、馬鹿でもこんなことしないよね』
それでも、毎夜家を出たのは、あなたに会えるから。
なんて、言ってやらないけど。
「…………神様はひどいことするね」
『やっぱり、生まれたことが間違いだったんだよ』
「ううん、そんなことない。そんなこと言わないで。
俺はAちゃんに会えてよかったよ」
『…………ありがとう』
寂しい。ねえ、寂しいよ。
目尻が熱くなって、服の裾でゴシゴシと拭う。泣き顔なんか見せたくない。
「行こう」
『へ』
どこに行くの？もう外は暗いよ？なにするの？
……まあ、なんでもいっか。もう。
されるがままに足を運ばせると、いつもの光景。橋の上。いつもあなたに会った場所。
今日も星が降っている。愛おしいものを見るように、あなたが私を見ている。
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夏(プロフ) - ぽてちさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます!!✨✨今回は書くのに少し苦労したので、ロマの気持ちが充分伝わったならとても嬉しいです……！コメントありがとうございます🥹 (10月11日 19時) (
レス) id: ebedb84d25 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - 苦しすぎて泣きました。心情がロマそのものでお話にのめり込みました...ロマ...悲しいよ...！！！素敵なお話ありがとうございます😭😭これからも応援してます！✨😊 (10月10日 16時) (レス) @page24 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - ぽてちさん» わわわっありがとうございます！✨😭🙏🙏刺さったようでよかったです😊 (8月27日 19時) (レス) id: ebedb84d25 (このIDを非表示/違反報告)
ぽてち(プロフ) - ドストライクでした...大好きです...！物語の描き方とかストーリーが好きすぎて悶えました。推しをありがとうございます！！！ (8月27日 19時) (レス) @page5 id: b72c422986 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2023年8月27日 16時
