記録7 ページ7
『…………っ私は本気だ!!お前みたいに明日があることを約束されているわけじゃない!1000年後には明日が来ないかもしれない!!だからっ、だから…』
自分が誰なのかも分からない。どこから来たのかも分からない。今の自分ですら、本当に信じることなんてできない。
でも使命なんだ。私がやらなきゃならない。私しかいない。役目は必ず全うする。
『これ以上邪魔をするなら…その脳天気な頭を撃ってや る……!』
喉の奥から、腹の底から、濁った、あまり綺麗ではない声が出てきてしまう。
ワナワナと怒りで小刻みに震える右手に再び銃を握る。手がその感覚を覚えているような気がした。
引き金を引く、それだけで人の命は簡単に奪えてしまう。だから危険で仕方ないのに。さっき躊躇なくアメリカ達に撃ってしまったのが、今もこうしてイタリアに銃口を向けてしまうのが、どうしてなのか分からない。
今撃ってしまえ。駄目だ撃つな。身体が撃てと命令している。脳が撃つなと抑制する。
伊「これ、Aちゃんには似合わないから俺が貰っとくね」
『は』
伊「代わりに俺の手握ってよ!これなら安全でしょ?」
葛藤を切り捨てようと頭を悩ませていたら、いとも簡単に、持っていた物をひょいと取られた。手の中には、代わりと言ったこいつの左手が握られている。
『返せ。指折るぞ』
伊「ゔ、で、でもっ、Aちゃん苦しそうな顔してたよ?本当は嫌なんじゃないの?」
『違う、躊躇いがあったわけじゃない。苦しくもない』
伊「でも、これは危ない物だよ。誰かを傷つけちゃう」
さっきまで怯えて弱腰だったのに、なんで今更そんな態度取るの。
傷つけるとか言うなよ。それは私が一番よく知ってる。
なあ、私って何だ?争いを起こしているのは私なんじゃないか?
伊「ね、何考えてたの?」
こいつの方がよっぽどいい。お気楽で、呑気で、常に、こんな時でも笑っていて。安心できる笑顔だった。
…………見覚えがあるのかも分からない。
『……アメリカの言うことは正しかった。きっと私は何か間違えている。それが何か見つからない。
それに、信頼を得るために証拠を探さなければならない。これからどうするか、どこで何をするかを………考えていたんだ』
お前が私を信用してないように、私もお前を信用してない。
お前の方が平穏を知っていると思ったまでだ。
伊「そっか。うーん…………信頼…………
………あっ!分かった!」
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夏(プロフ) - しのんさん» えっ、えっ、いやいや!?そんな嬉しすぎる言葉を掛けてくださりこちらのほうが感謝しまくりです(号泣)コメントくださりありがとうございます😭評価も何よりですが言葉で言ってもらえるのが一番嬉しいのでめちゃくちゃ自信に繋がります!! (1月7日 21時) (レス) id: ebedb84d25 (このIDを非表示/違反報告)
しのん(プロフ) - 夏様このような素敵な作品をお作り頂きありがとうございますぅ〜😭😭😭 (1月7日 19時) (レス) id: 451f35b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - futuunohitoさん» 嬉しすぎますありがとうございます!!!!🥹😭😭 (10月15日 23時) (レス) id: ebedb84d25 (このIDを非表示/違反報告)
futuunohito - 好きです頑張ってください!! (10月15日 23時) (レス) @page4 id: d47a7a5aa6 (このIDを非表示/違反報告)
夏(プロフ) - ぽてちさん» ぽ、ぽてちさん……!ああ本当にありがとうございますッッ!!!!こいつどんだけ掛け持ちしてんだよって感じですよね……わざわざ見てくださって嬉しいです、ありがとうございます😭😭😭いつも嬉しい言葉を貰ってばかりです…………更新頑張りますね! (10月15日 12時) (レス) @page2 id: ebedb84d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夏 | 作成日時:2023年10月14日 23時