私立ヘタリア学園〜イギリスとの恋物語〜last part

２３０話　君が私を好きな理由 ページ7

イギリスはモテる。
学園内でもファンは多いし、この前はカオルさんのことがあったし……

A「イギリスなら選び放題なのに、私なんかのどこがいいのかなって……、むぐ」
イギリス「ストップ」

言葉の途中でイギリスに抱きしめられた。
頭を抱きかかえられ、そのまま胸に顔をうずめる形になる。

A「え、イ、イギリス……！？」
イギリス「ちょっとそのまま聞け、いいな？」

A「……うん」


イギリス「俺はAが好きだ。初めて会った時からずっと……言ったかもしれないが、Aは俺の初恋なんだ」

A「＿＿＿＿！」

思い出す、告白の時に聞いた「10年間」という言葉。
そうだ……イギリスもあの時から……


イギリス「初めて会った時の笑顔に惹かれた。でも次に会った時、Aは俺のこと覚えてなくて……諦めたほうがいいかと思ったが、無理だった。お前の優しさとか、少し泣き虫なところとか、やっぱり変わらない笑顔とか……忘れるどころか俺はどんどん好きになっていった」


私の耳元に口を近づけてイギリスが言う。

「もう一度会ってくれてありがとうなんて……礼を言うのは俺のほうだ」


A「……イギリス」

イギリス「おっ、俺今すっげー恥ずかしいんだからな！？わかったらもう『私なんか』なんて言うんじゃねーぞ！……どこが好きとかじゃない、俺はお前がいいんだからな」

A「……うん。ごめんね」
イギリス「ん。悪い、苦しかったか？」

抱きしめている腕の力が緩んだので、頭を上げてイギリスの顔を見る。
そのまま首を伸ばして頬に口づけた。

A「……へへ」

イギリス「そんなんじゃ全然足りねえ」
A「ん！」


組み敷かれて唇を奪われる。
激しくも甘い、深いキス。

イギリス「……満足」

口を離してイギリスが笑う。
余裕そうな顔して……

……ずるい。


A「……なんか意地悪じゃない？」
イギリス「うるせえ。ほら、もう寝るぞ。明日の飛行機早いだろ」

A「はあい……ねぇ、手、繋いで寝てもいい？」
イギリス「ん？ああ。いいぞ」

A「やった。今日はいろいろありがとう……おやすみなさい」

イギリス「おやすみ、A」




ねえイギリス、私のこと好きって言ってくれてありがとう。
私も大好きだよ。


でも足りないの。
こんなに想われてるのにまだ不安だなんて、罰当たりだよね？


……ごめんね。



そんな気持ちを込めてイギリスの手を握り、私は眠りについた。

２３１話　最終日ダイジェスト→←２２９話　二人きりの夜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す