239話 キス ページ17
カオルさんの声で、イギリスも私に気づいた。
イギリス「あれ、A?……と、え?なんだこのメンツは」
フランス「いやお前の方が何なんだよ」
A「い、イギリス……なんで、カオルさんと……」
吉田「え、マジで誰あの隣にいる子?なんでイギリスといんの?」
日本「あの方はカオルさんといって、簡単に言えばAのライバルなんです。詳しいお話はまた後で」
佐々木「え、マジ?ライバル?……これ修羅場なの?」
イギリスがこちらに向かって歩いてくる。
……後ろにカオルさんを連れて。
イギリス「か、勘違いすんなよA。これは____」
その言葉が最後まで紡がれることはなかった。
カオルさんがイギリスの服の裾を掴み、彼の注意を自分に向けた、その時。
____カオルさんがイギリスにキスをした。
A「____っ!」
唇と唇が触れるのを見た。
頭の中が真っ白になる。
何があったのか理解した瞬間に、私はみんなに背を向けて走り出した。
……たった一瞬だったけれど、それは私にとって、その場を逃げ出す理由として充分な出来事だったから。
日本「A!どこに行くんですか!?」
どこに行こうとか、そんなことは考えていなかった。
ただその場にいたくなくてとにかく走った。
私は現実と向き合うことから逃げた。
……逃げたところで、解決するわけではないのに。
イギリス「Aっ……待て!」
カオル「行かないでくださいイギリスさん!私だって本気なんです!」
背後からそんな声が聞こえるが振り返ったりしない。
絶対に振り返らない。
____だってもうこれ以上、二人が並んでいるのを見たくない。
イギリスが他の女の子とキスをした現実を受け入れられない。
外へ、と思い階段を駆け下りようとする。
……ああ、新しい靴なんて履いてくるんじゃなかった。
私の足で逃げ切れるわけがなく、階段の途中で捕まってしまった。
振り向くと、そこにはやはりイギリスがいた。
イギリス「頼むA、逃げないで話を聞いてくれ。カオルと会ったのは本当に偶然で」
A「やだ、今は聞きたくない、信じられない……っ」
イギリスの言葉を遮って、掴まれていた腕を振りほどく。
再び逃げようとした時、私は後退りをして階段を踏み外した。
イギリス「Aッ!!」
イギリスが私に向かって手を伸ばす。
馬鹿な私はその手を掴んだ。
____そうしてまた、イギリスに助けられてしまった。
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留佳(プロフ) - いなりんさん» 元ブリテンさんですか!?覚えてます……お久しぶりです!更新停止すみませんでした……あれから約9年が経ちましたが、また読んでくださって本当にありがとうございます( ; ; )感想もとても嬉しいです!古参読者の方にも楽しんでいただけたようで安心しました(*^^*) (2020年3月8日 15時) (レス) id: 4f07087c81 (このIDを非表示/違反報告)
いなりん(プロフ) - お久しぶりです。2011年にブリテンとしてコメントを残させていたものです。完結おめでとうございます。大変面白かったです!!キャラのイメージは全然崩れてなく、頭の中でイメージしながら読んでいました。ありがとうございました。 (2020年3月8日 7時) (レス) id: 0adecda448 (このIDを非表示/違反報告)
留佳(プロフ) - 白黒龍さん» 白黒龍さんありがとうございます!吉田を気に入っていただけて嬉しいです笑 感想をいただけると思っていなかったので感激しております……この作品を楽しんでいただけたようで幸いです(^^)メインが完結したので、掛け持ちしていた作品の更新を再開しようと思います! (2020年2月26日 15時) (レス) id: 4f07087c81 (このIDを非表示/違反報告)
白黒龍(プロフ) - 完結おめでとうございます!後半らへんから吉田が1番好きになりましたw国花のアクセをつける話とか個人的に好きで印象に残った話がいっぱいあったなーと振り返って見て思いました。凄く更新を楽しみにしていたので少し寂しく思います。他の小説の更新頑張ってください (2020年2月26日 14時) (レス) id: c6354e9b33 (このIDを非表示/違反報告)
留佳(プロフ) - キャラメルうま子さん» 更新しました(^^)夜だけはぐっすり寝てくださいね!笑 お気遣いありがとうございます( ´ ▽ ` )今後も無理ないペースで書かせていただきます!最後までお付き合いいただけたら嬉しいです♪ (2020年2月1日 12時) (レス) id: 4f07087c81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:留佳 | 作者ホームページ:
作成日時:2020年1月5日 18時