私立ヘタリア学園〜イギリスとの恋物語〜last part

２３７話　冗談でしょ？ ページ15

日本「吉田さんたち、一体何を見たんですか？」

日本がそう尋ねると、吉田たちは顔を見合わせてぽつりぽつりと話し始めた。


吉田「さっき、Aと同じそのヘアピン着けた女の子を見かけたんだ。その子も黒髪で……つい、Aかと」

A「顔は？」

佐々木「……そういえば、俺、その子の顔見てないな。お前見た？」
橋本「……見てない」


私の問いかけに、三人とも首を横に振る。
なんだ、誰も見てないんじゃん！


A「も〜！じゃあただの同じヘアピンの子なだけじゃない。そんなの偶然だよ偶然！」

まったく同じヘアピンの子だったら、むしろ会ってみたい気さえする。
これはイギリスからもらった特別なものだし……

フランス「まったく、そんな嘘でお兄さんたちを怖がらせようなんて、センスないなあ」

A「本当だよ、もっと真実味のある冗談を言ってよね！ドッペルゲンガー？まさかまさか！
そんなわけないじゃないwww」

佐々木「さっきまで信じてたくせに……」
A「し、信じてないし？気のせいだし？」

しかし私のこの余裕さも、吉田の次の一言で完全に失われた。



吉田「でもその子、イギリスと一緒にいたんだよな」



A「…………え、冗談でしょ？」
日本「み、見間違いでは……」

吉田「いや、あの眉毛は絶対そう。その女の子も、イギリスといたからAだと思ったんだよな」

佐々木「この前……冬休み中見かけた時は後ろ姿だったから確信できなかったけど、今回は顔……もとい、眉毛を見たし」
橋本「……ああ」

日本・フランス「…………」


＿＿＿＿私いまどんな顔してるんだろう。

事情を知ってる日本とフランスが、三人と私を交互に見ては私にかける言葉を探している。

……でも、言葉なんか見つからないよね。
私も混乱してるもん。


フランス「あー……たまたまその二人がそばに居たわけじゃなくて？」

少しでも判断材料を、と私の代わりにフランスがさらに探りを入れてくれる。

橋本「……いや、なにか話しているようだったし、他人ではないと……」


A「＿＿＿イギリスの用事って、何なんだろうなあ」


やっと口に出せたその言葉は、私が思っていたよりも冷たく聞こえた。


吉田「えっ何その反応。イギリスと喧嘩でもしてんの？」
A「ううん、してないよ＿＿＿＿これからするかもしれないけど」

私の答えに、弟子三人組も言葉を失う。



A「とりあえずイギリスに会いたいな。どこで見かけたか教えてくれる？」

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