まほうの【さとみ】

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さ「うぅ…」

頭がガンガンする。

二日酔いじゃねーか。

それでも出勤はしなきゃいけないから

俺は今日もスーツに腕を通した。

ｶﾞﾁｬ

さ「おはよーございまーす…」

「あっさとみくんおはよぉ！」

「さとみさんおはようございます！」

「あれ顔色悪いですか？」

「たしかにぃ〜！そんな気するぅ」

さ「あはは、大丈夫だよ笑」

今日もラウンジにたむろう

女の子たちをかわしながら

奥の部屋の扉に手をかけた。

その時、扉が開いた。

さ「うぉっ！」

『ｷｬｯ!』

中から出てきた道村さんと

ぶつかり後ろに倒れた。

さ「道村さん大丈夫…？」

『えっあぅあっはいっ！』

道村さんは逃げるように

オフィスを出ていった。

「さとみくん大丈夫ぅ？」

「道村さんなんであんなに急いでのかな」

さ「わからないな…」

顔赤かったな道村さん。

もしかして…？

いや確定はまだ早いよな。

今まで尻もちをついていた

腰を上げて手を払う。

奥まで来てしまったから、

今更自分のデスクへ戻るなんて

まるで道村さん目当てのようじゃないか。

それを認めたくなくて、

誰もいない資料室の扉に

もう一度手をかけた。

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