72 ページ43
ころんくんが私の目を覆っていた手を退かす。
私の視界が晴れた。
目に飛び込む照明の光。
思わず目を細める。
『ころんくんって手冷たいね』
こ「うるさいな…心が暖かいんだよ」
こ「じゃなくて！花宮さん呼んでた」
『のんちゃんが…？』
こ「衣装合わせたいってさ」
『分かった…』
ころんくんに押されて教室を出る。
扉を閉める時、
さとみくんと目が合ったような気がした。
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗ
少し立て付けの悪い扉を開ける。
の「あーA！待ってたよ〜！」
やっと出来上がったのと言う
のんちゃんの目の下には濃い隈がある。
昨日も遅くまでやっていたのだろう。
の「コレ見て〜！」
バサッと目の前に純白が広がる。
綺麗なドレスだ。
真っ白なドレスに細かい刺繍が施されている。
『綺麗』
こ「うん、すごい綺麗だね」
の「でしょ〜！！」
頑張ったからねと胸を張るのんちゃん。
本当にすごい。
の「そしてこちらは〜！！」
じゃーんと効果音をつけて
のんちゃんが出したものは
ころんくんの王子様の衣装。
『「…黒！？」』
真っ黒だった。
の「そう！意外性を出したくて…」
いやいや、意外すぎる…
の「まぁまぁ着てみなって！」
のんちゃんに背中を押されて
それぞれパーテーションの裏に入った。
着てみるとサイズがピッタリだった。
すごいなのんちゃん。
『のんちゃーん！』
のんちゃんを呼ぶが返事がない。
どこいったんだろう…
パーテーションから顔を出すと、
ころんくんも丁度顔を出していた。
こ「着替え終わった…？」
『大方は』
こ「見たい」
『無理、恥ずかしい』
こ「結局見るんだからいいじゃん」
そう言ってころんくんは
ズカズカと私の方に歩み寄って手を引いた。
『わっ…！』
少し前に倒れそうになる。
ドレス姿の私を見たころんくんは一言
こ「わぁ……」
わぁってなんだ…わぁって…
馬鹿にされているようで腹が立った。
そんな私にころんくんは言った。
こ「似合ってる…」
『ころんくんも…』
恥ずかしくて
ありがとうなんて言えたもんじゃない。
今の私には精一杯の言葉だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 553人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - ha波さん屋さん» 最後まで読んでくださりありがとうございます！そう言って貰えると書き上げた甲斐があります！これからもよろしくお願いします！ (2019年9月6日 16時) (
レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
ha波さん屋 - 連載お疲れ様でした！密かに見させて頂いておりましたがとても感動しました。確かに夢主ちゃんずるいですね！←おい。失恋要素を取り入れているけれども素敵な恋のお話で凄く面白かったです！次作も楽しみにしてますね。コメント失礼致しました。 (2019年9月5日 21時) (レス) id: dfbaedbf2e (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ゆぅさん» お返事遅くなり申し訳ございません！読んでくださりありがとうございました！よければ他の作品もよろしくお願いします！ (2019年9月5日 20時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅ(プロフ) - 続き待ってます！頑張ってください！ (2019年8月8日 21時) (レス) id: 04796746fa (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - nanaさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けると描く気力に繋がります！ありがとうございます！ (2019年7月25日 10時) (レス) id: 2420525602 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はな | 作成日時：2019年4月21日 15時
