私はさとみくんの 2 【さとみ】

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昨日さとみくんの提案を受け入れ

私たちは付き合うことになった。

どう考えても私の明らかな私欲で

成り立った関係だ。

「はぁ…」

少し落ち込んだ顔の鏡の中の私と

にらめっこしていると

ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ

チャイムが鳴った。

「は〜い！」

ドアを開けると昨日ぶりのさとみくん

ところんくんがいた。

さ「学校行くぞ！」

「うん！」

3人で登校した。

いや正確には、さとみくんところんくんが

ゲームの話で盛り上がっていて

私はその話に入れないまま

隣でニコニコと笑顔を貼り付けている。

私たち恋人なんだから、

2人きりで登校したかったなとか、

かわいいことを言いたい。

でも、偽りの恋人のわたしたちには

かわいいお飾り言葉も水を差すだけ。

私の想いを孕んだ手は、

さとみくんに1度も触れることなく

何度空を切っただろう。

少し離れたわたしとさとみくんの距離は

なんだか、心の距離も表しているよう。

そんな私たちの間を、

二人乗りのカップルが自転車で駆けていく。

はやく、学校について欲しい。

憂鬱な朝が始まった。








その後も私たち会話はなく、

学校に着けばお互いが

友達のところへ溶け込むように別れた。

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