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決定打となったその日は朝早くから特級案件が舞い降りていて、高専へ帰ったのが真夜中の深夜２時。
学校へ到着するも、多少電気がついている校内は呪術師の忙しさを物語っている。
一日中動き回っていてさぞかしお疲れな彼は、いつものように着いたことすら気づかない。拭えない違和感が募る中、伊地知はドアを開け五条を起こそうした時。珍しく俯いている彼がそこにいた。
「五条さん、着きましたよ。五条さん」
手を伸ばし、肩に触れる。
誰よりも気配に鋭いはずの彼は触れられていることすら動じず、それ以上に伊地知は、無下限を解いていることに驚いた。
「五条さん？」
不審に思い、しゃがみこんで顔を覗き込んだ。
驚きと恐怖で、脳裏によぎったのは、目の前の存在は五条悟じゃないという拒絶だった。
実際は五条悟本人で間違いないのだが、どこか魂の抜けた殻のようなもの感じてしまう。いつも身に着けているアイマスクさえ下ろされて、光がなく焦点のあっていない瞳がよく見えた。
当然これがいかに危ない状況なのかは、誰もが知っている。
伊地知はすぐさま、家入に電話をかけ呼び出した。
彼女が到着するまで、なぜこんなになるまで気づけなかったのだろうと自分を酷く悔やむ。
平然としている裏でどれだけ苦痛に耐えていたのか計り知れなかった。
彼のもつ惹きつけるほどの晴朗の瞳は、今や澱みきった色をしている。
しばらくして到着した硝子もまた、うなだれる彼を見て瞬時に彼の容態を理解した。
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誰かが言った。
五条悟だから最強なのか 最強だから五条悟なのか、という言葉は彼の実力を大いに表す尤もらしい表現だ。最強というレッテルを張られても泰然自若な様だから呪術師から心強い存在とされている。が、彼も所詮、人の子なのである。
特級だろうが最強だろうが関係ない。
苦しさや辛さが続けば、心は壊れてしまうものだ。
ベッドで眠る五条の横で、硝子は、己の手のひらを強く握りしめる。
爪で皮膚が破け、血が指をなぞりながら滴った。
(また、なくすのか？大切な存在を)
封印された時だって自暴自棄になる自分を抑えつけた。だが今回だけはどうしようもない。心の病は反転術式で治らないのだから。
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タバスコ子(プロフ) - ホノハさん» 返信が遅くなって申し訳ありません。コメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤-ᵒ̴̶̷̤ )更新遅めですが待っていてくださると嬉しいです( ･ ･̥ ) (7月9日 12時) (
レス) id: 0cdd62a25e (このIDを非表示/違反報告)
ホノハ - 続き楽しみです(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2023年5月3日 15時) (レス) @page29 id: 87f020705d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：タバスコ子 | 作成日時：2022年10月31日 5時
