検索窓
今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:26,754 hit

ページ ページ2

_______________




呪力量が増えても操作はちゃんと出来るのなら問題ないと祖父は言った。



それに加え、これだけの莫大な呪力量を持つ孫がどんな術式を操るのか、そっちの方が気になるらしかった。











しかし、いっこうに私は術式を展開することが出来なかった。





絶望する私に祖父はずっと寄り添ってくれた。




祖父も活動時よりも引退した年月を倍上回っていたためか呪力も低下し目の前を飛ぶちっこい蠅頭すら祓うことも難しくなってしまい、



祖父自身も孫に示しがつかない事に酷く悔やんでいた。








そんなこともあり、早々に気持ちを切り替え日に日に呪力量が増えるも気にせずに小学校を卒業したのだった。


中学生に上がると同時に、祖父の容態が突然悪化する事となる。








その事実に祖父は、やはり歳を取るとどこもかしこもガタがくるものだ、と言った。


それから少しずつ祖父は寝たきりになっていき医者も進行を抑えるだけで治ることは無い、とだけ唯一の家族である私に伝えた。











そのひと月後、余命宣告もないまま祖父は帰らぬ人となった。




死とは呆気ないもので学校から帰ってくると、もうすでに下顎(かがく)呼吸が始まっていたし、祖父は必死に口をパクパクしながら音を発していた。






死ぬ間際に現れる、せん妄の症状と思ったが音が次第に文章になっている事に気づいた私は一つ一つの言葉を食いつまんで繋ぎ合わせた。



祖父の最期の言葉は、生前何度も熱く語った私たちの先祖の事と私に関連するものだった。
















ご先祖さまは『早良親王(さわらしんのう)』というお偉い方なんだと、



その方は三大怨霊に匹敵する強い力の持ち主なんだと、




だから子孫である私に莫大な呪力が芽生えてきたんだと、








そして

「孫娘をどうかお願い申し上げます、*****」






天井の木目を見つめる茫茫たる瞳の奥底に、どこか信念があるように感じた。


何をもって、誰への頼みなのかは分からずじまいだったが、祖父が発する音の羅列が消えた頃、祖父は安らかな顔で眠っていた。

次ページ→←1章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (51 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
104人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 死ネタ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

タバスコ子(プロフ) - ホノハさん» 返信が遅くなって申し訳ありません。コメントありがとうございます( ᵒ̴̶̷̤-ᵒ̴̶̷̤ )更新遅めですが待っていてくださると嬉しいです( ・ ・̥ ) (7月9日 12時) (レス) id: 0cdd62a25e (このIDを非表示/違反報告)
ホノハ - 続き楽しみです(๑•̀ㅂ•́)و✧ (2023年5月3日 15時) (レス) @page29 id: 87f020705d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:タバスコ子 | 作成日時:2022年10月31日 5時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。