まさかの展開 ページ18
〜智side〜
ピーッ！
「あい、集合〜」
体育教師の、やる気のなさそうな笛の合図と共に
一斉にクラスメートの足が先生の方に動く。
ゾロゾロと、生徒達が小走りで駆け寄る中
俺は既に心身共に疲れ切っていて
よもや、走る気力がない。
生憎、背が低いのがコンプレックスだけど…
今だけは周りの巨人みてぇな バスケ部男子の
影に隠れてるだろうから先生には
見えないだろうと、安堵しながら人集りの方へ
何とか重たい足を引き摺っていると
「…お前さぁ…し…櫻井にマジなの？」
「んぁ？」
途中で、何故か濁った名前に
思わず変な声で横を振り向くと
「いや…今朝もお前ら2人で会ってただろ
校舎のどっかで」
「はっ！？何でお前が知ってんだよっ！！」
「まあ、櫻井はともかく
お前は向いてねぇからな？隠し事とか」
頭の後ろで手を組みながら
冷ややかにそう言う妻夫木の視線に
内心苛つく反面、段々上気していく頬の熱感。
「んで？そんなお顔真っ赤っかになる様な
事でもしたと？一線超えちまった？」
「んばっ…バッカじゃねぇの！？
何、言っちゃってくれてんだよ！この変態！！」
今度は、ニヤニヤと細い目で弄る様な目線を
寄越してきやがった妻夫木。
もう、こいつには一生櫻井さんの話はしねぇ！！
・
____________遡ること、4時間前
今のピーカンからは想像出来もしない
生憎の雨模様だった、今日の朝。
俺はいつもより早く起きて、身支度を調えると
足早に家を出て傘を片手に小走りで
学校へ向かった。
憂鬱な雨音の中、制服のズボンに跳ねる
泥水も気にならない程、何であんなに
足取りが軽かったのかって問われると…
まだ、誰も教室に居ないような時間帯。
即ち、早朝の非常階段で2人で会って駄弁るのが
俺と彼女の最近の日課だったから。
勿論、問答無用で俺が提案したと思うだろ？
それが、違うんだよねぇ…櫻井さんなの。
これを聞いた時、正直心ん中は歓喜乱舞。
だって、やべくね！？
密会！？非常階段で！？しかも、二人きり！？
キョドりながらも、いつもの如く平静を装いつつ
彼女にその意図を尋ねると
日中から俺と彼女が話してると
横山達に目を付けられるからだと。あ、俺がね？
その、動機は何となく気に食わなかったけど…
俺は、十も数えない内に快諾した。
だってこんなチャンス、二度とねえだろうし！
ほんでもって、今日も彼女と非常階段で
待ち合わせしてたから早起きしたって訳。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「学パロ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星羅*(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉さん、初めまして！＾＾ ひゃー！ありがとうございますー！！( ；∀；) 好いて頂けてとても嬉しいです！！もうじき更新致しますのでもう暫くお待ち頂けると幸いです♪ コメントありがとうございました！ (2020年5月29日 17時) (
レス) id: 537f8dab87 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 初めまして！このお話がとても大好きです!!櫻井さんと大野くんのキャラ設定にずキュンときました！続き待ってます!! (2020年5月29日 9時) (レス) id: d922c6ab1d (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - 櫻華さん» お姉様ー！！ご機嫌麗しゅうござんすよ！！泣 お姉様こそ、お身体の調子は如何ですたい！？ いやぁ、毎度の事ながらありがとうございます！！泣 しょさん視点も後々書いていくので是非お楽しみにして頂ければ！！大どんでん返しになる様頑張ります♪笑 (2019年3月7日 23時) (レス) id: ae09847f2d (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - ご機嫌麗しゅう？…と少しふざけて見たり…。更新通知、ガッツポーズでした！！星羅ちゃんの言葉運びや話の展開、ワクドキです(/// ^///)しょさん視点が激しく気になります！ (2019年3月7日 22時) (レス) id: 5f6dbffbbd (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - 櫻華さん» 櫻華姉様！！( ；∀；)こちらまでご訪問ありがとうー！泣 私も少女漫画片手にワクドキしながら書いてます♪展開をお楽しみにー！！ (2018年12月22日 19時) (レス) id: 9c00a2b6a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星羅*
| 作成日時：2018年12月22日 13時
