出逢いがしら、愛しきみ【ヒロアカ】 (ページ4)

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『ﾊｯﾊｯ ..! 』

雄英の階段ってなんでこんな長いの!?

バカでかい校舎に見合うこの階段。
体力には自身がある私でも流石にダッシュはキツい。

あぁもうなんでスマホ忘れてくるかなあ、、

下駄箱を出た所で気付いただけまだ良かったけど。

え～っと確か机の上にあるはz "どんっ" ...ｯ!

前方不注意。
走っていたから急に止まることが出来なくて角から現れた人の胸元にぶつかってしまった。

『っ、ごめんなさいっ！』

これは明らかに私のせいだ。
ぱっと頭を下げても中々帰ってこない返事。

恐る恐る顔を上げてみると何ともいえない表情をした人が。

『..ぇっと、、大丈夫ですか..？』

「... おう、」

見た目からは想像出来ない小さい声を漏らす彼。

... 彼には悪いけど友達待たせちゃってるからな、、

『ほんとにごめんなさい！』

急いでる事を伝えもう一度頭を下げた。

こういう所がダメなんだ、と反省して少し走るスピードは遅めた。

まずスマホ置いてくる時点で馬鹿だよね。

しっかりしなきゃ、！

案の定机の上にポツンと置いてあったのを見つけなんで気付かなかったんだろうと思う。いやほんとになんでだ？？？？？？？？
ポッケに仕舞おうとすると今度はハンカチが無い事に気が付く。
しっかりしなきゃって言ったそばから、、

私は小さい頃からヒーローになるのを夢見てきた。
でもこの"個性"じゃヒーローになるのは愚か、人を助けることも出来ない。
だから必然的に諦める他なかったのだけど、やっぱり夢は夢で。ヒーローを数多く輩出する名門･雄英高校に入って少しでもいいから幼い頃からの夢を叶えたいなっていう動機で進学を決めた。やると決めたらやるからね私は！そして寝る間も惜しんで勉強してやっと入学出来た！っていうのに私は、、

『もっとしっかりしなきゃ！』

ｷｭ、と踵を返して来た道を戻る。
ハンカチはどこかに落ちてないか探してみるけど見当たらない。

( あれ結構お気に入りだったんだけどな .. )

... 仕方ないか、

残念だけど友達を待たせるわけにもいかない。
誰かが拾ってくれたかもしれないし！
明日探そうと決めて私はまた走りだした。