オニグモが生まれた日 ページ10
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苦しい
喉元を締められ、私を見下ろす男の顔が歪んでくる。
「黙っとけよ。余計なこと言わないって約束できるか？」
もうこいつの全てが信じられない
こんなのヒーローじゃない
これじゃ敵じゃんか
『……ッ』
「ッがは…っ、お、前…！」
右手から糸を出して男の首に巻き付けググッと締めると
男は遂に本気で私の息を根を止める勢いで力をかけてきた
殺される
殺しちゃう
結果がどちらに傾こうとも最悪が待っている
殺したとて、犯罪者になった後どうすればいい？
私には誰もいない。だったら私が死んだほうがいい？
いや
誰もいないからこそ
許せないこの男を
『っ……お前が、死ねばいい…！』
本気で糸を引こうとしたその瞬間
蒼炎に視界を奪われた。
目の前を通り過ぎたその炎から現れたのは
さっきからずっと私に跨っていた男の、焼け焦げた姿
『ヒッ……』
「邪魔だ、どけ」
頭上から新しい声が聞こえたけど
倒れ込んでこようとする焼けた男が怖くて
慌てて壁に打ち付けた。
衝撃と共にヒュッと小さな音が漏れた後、
男の呼吸音は徐々に薄くなっていく。
私の首を絞めていた手だけが、まだ白くて
それを見た瞬間やっと
酸素を取り込むことを思い出し大きく息を吸えば
人の焼けた独特な臭いが流れ込んで大きく咽せた。
そんな私を無視して通り過ぎようとした男の服を掴む。
『あ"…りがと、ございま、っ…』
誰なんだろうと見上げると、私は目を見開いた。
顔中、ツギハギだらけ
驚く私に彼は冷たい視線を寄越す
「お前も焼かれたくなかったらさっさと家帰れ」
『待っ…！あの、あなたは…？』
「通りすがりの敵」
敵
この人、敵なんだ
『じゃあ私、敵に助けられちゃった。
ありがと、ツギハギさん』
ふにゃ、と笑いかけるとツギハギさんは一瞬固まるも
くるりと背を向けて歩き出そうとする。
横の焼死体を見た後、声をかけた。
『ついて行っていい？』
「はァ？」
『帰る場所ないの』
「知らねェよさっさと家帰れ」
『帰ったって、待ってくれてる人なんて誰もいないから』
数歩先まで歩いていた彼の足が止まり
顔だけ振り向けてくれた。
『ん』
ぐい、と手を差し出す。
『一緒にいてもいいなら、手取って』
「敵になるつもりかよ」
『もう同罪だもん』
「………勝手にしろ」
取られた手は、ぎゅっと繋いで
オニグモという敵が、生まれた
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sana＊(プロフ) - 沼さん» 長い間お待たせしてすみませんなんとか早めに更新できるよう頑張ります！！🥺🥺 (10月25日 12時) (
レス) id: 25a11890bc (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - 姫さん» ほんっっとうにすみませんなんとか時間作って続き更新しますね😭😭🙏 (10月25日 12時) (レス) @page23 id: 25a11890bc (このIDを非表示/違反報告)
沼 - 続きが気になります……！！ (10月4日 4時) (レス) @page23 id: 6b30814409 (このIDを非表示/違反報告)
姫(プロフ) - えぇー！どうなっちゃうの？最近更新ないけど大丈夫ですか？無理せず頑張ってください！！ (9月17日 14時) (レス) @page23 id: 803f158600 (このIDを非表示/違反報告)
sana＊(プロフ) - これはお咲さんさん» うわぁあああありがとうございます！😭💖更新頑張ります！😭💪 (2022年11月21日 10時) (レス) id: 35c21c90ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sana＊
| 作成日時：2022年6月14日 18時
