【ヒロアカ】ホークス、ヒーロー辞めるってよ【ホークス】

No.2は人生初らしい ページ7

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(ホークスside)




オニグモにつけられた傷が痛い。

顔も身体も、痛みが残るせいで苛立ちが治らない。




「あーマジむかつく。次は絶対捕まえる」




むしゃくしゃしながら歩いていると

曲がり角で誰かにぶつかってしまい

よろける女性の手を取って引き寄せれば

大量の紙袋がガサッと揺れた。




「大丈夫ですか？」

『………へ？』




俯いていた彼女がゆっくりと顔を上げると

俺は呼吸も忘れ、目を奪われた




は、何この子ばりどタイプ




『あ……ちょ、まず…手、離してほし…』

「えっ、あ！ごめん！」




パッと掴んでいた手を離して謝ると

彼女はまたフイと顔を背けた後少し後ろに引き下がった。




「ごめん、痛かった？」

『や、大丈夫、』




綺麗なポニーテールの尻尾で顔を隠し

ちらりとこちらを見つめるアメジストの瞳。


え、可愛い


何故かじっくりと観察されている気がして

「？」と首を傾げると、彼女はズイッと顔を近づけてきた




『顔、傷だらけですね』




ふふ、と目を細めた笑顔に心臓が跳ねる。




「あーコレね、昨日敵追ってたら怪我して」

『へぇ、ちゃんと捕まえました？』

「恥ずかしながら逃しちゃって」

『ふーん、まだその敵のこと追いかけるの？』

「うん、一応任務だから」

『そっかぁ。あんま無理しないでね』

「大丈夫、絶対捕まえる」




至近距離の顔にドキドキしながら話していると

何故か

本当に何故か、いきなりぺちっと頬を叩かれた。




「は？！」

『傷だらけ似合ってるよ、じゃ』




どゆこと



半ば放心状態になっている俺に彼女はくるりと背を向けて

通りかかったタクシーを捕まえ乗り込んでしまった。


走り出すタクシーをその場で眺めながら

叩かれた頬を押さえる。



いや、まじで何で叩かれたのかは分からんけど



顔熱い。うわ、自分マジか



人生初の、一目惚れってやつだコレ




「………また会いたか」




なんて、無理に決まってる。

ここは福岡でもないし

ただオニグモを捕まえに来ただけの街

出現場所が全国まばらなオニグモを追っていたら

こんな所で人探しなんか出来ん




「あーオニグモさえいなければ！」




マジで恋のひとつ始めれてたんですけど！！


結局またオニグモ。あぁ鬱陶しい。



この時の俺は

頭の中を占める2人の女性が

まさか同一人物だなんて知る由もなかった。



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