【ヒロアカ】ホークス、ヒーロー辞めるってよ【ホークス】

憂鬱、これから ページ4

.





ゼェハァとお互い息を切らし

改めて対峙したのは久しぶりに感じる。




「あのさぁ…っ、逃げるの上手すぎん…？」

『こちとら…3年間アンタら公安から逃げ続けてんの。

　そりゃ逃げるのも上手くなるよ』

「最初から俺送り込んでくれればもっと楽できたのに」




顔の数箇所から流れる血を親指で拭い

面倒くさそうに息を吐くホークス。


………本気で殺してやろうとしたんだけどな


器用に避けられ急所に当たらない。




『しぶといね、お前』

「そりゃドーモ」




久しぶりにこんなに追いかけ回された。


流石にもう疲れた、コイツどうしようか




『………』




ビルの上から、下を歩く市民たちを見下ろす。

気づかれないようにするすると糸を出し、大きな看板に

絡み付けた後思い切りグンッと引いた。




「ッ！ちょ…っ」




崩れた看板は重力に従い落下していく。

真下にいた市民たちから悲鳴が上がればホークスは

そっちに意識がいき私から目を逸らした。




『じゃーね』

「あ"っ！クソッ…！」




市民が危険に晒されれば、ヒーローは助けに行かないとね


その隙に反対側から飛び降りホークスの視界から消える。

遠く、遠くへと糸を伸ばし

追いつけない距離まで逃げて、姿をくらませた。




.

.

.





『二度と会いたくないけど……また来るよなぁ』




自宅に着いてソファに腰掛ける。

脚を伸ばせば、ホークスにつけられた傷が。




『本気じゃん。痕残ったらマジ殺す』




救急箱を取り出し消毒をして、簡易処置を済ませて

やっと仮面を外してぱたぱたと顔を扇ぐ。

ふぅ、と息を吐いて天井を見上げた。



私が敵になってから3年間

ずっと公安からヒーローを寄越されていた。


最初の頃こそ必死に逃げていたけど

私より機動力あるやつなんていなくて

段々と逃げるスキルも上がってきた。


誰を送り込まれても余裕で逃げれていたのに




『ホークスって………躍起になってきたなぁ』




実力のありすぎるNo.3相手

今まで通りの逃走ルートじゃダメかも


スマホを取り出しホークスを調べてみる。


トップヒーロー、速すぎる男なんて謳われているけど

別に興味ないし知らないんだよなぁ




『うげ、胡散くさい顔してんな』




画像を見ればファンサ中の写真だったり

雑誌の一部だったり

反吐が出そうなほどの営業スマイル。



これからコイツに追いかけ回される日々が続くと思うと

ほんと久しぶりに、憂鬱な気分になった。



.

オニグモについて→←初めまして

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す