○幽霊も甘過ぎは喰えない[完] ページ2
怖くない、と暗示を掛けながら早足で出口を目指す。
「戸田くん！無理だ！諦めよう！暗示で信じれるモノは何も無いよ！知っていただろう！？」
「いや、知ってたけどさァ！？一回信じてみるのは良くね？怪物だって信じれば鶴に見えんだよ！いずれ夢は覚めるんだけどなァァ！」
「何を言ってるんだ！キミは！」
とある水曜ドラマを思いながらかなりのスピードで速歩きをする。何度も道を間違っているようで出口が全く見えない。
脅かす役で頑張っているスタッフもスレ違う度「え！？何あのカップ、さっきも居たな！？」なんて叫んでいる。職務妨害だとかで訴えられたりしないだろうか。
あれ、出口じゃねぇか？
飯田もその光に安堵の息を吐いた。自然と私達の口角は上がっていく。やっと終わった！なんて思いながら駆ける。出口先で膝に手を付き肩を上下させる。
「……お疲れ様です。あ、失礼致しました！お客様、今日は此方まで足を御運び頂きありがとうございます。またの機会がありましたら、お会いしましょう。」
絶対来ねぇ！来たくねぇ！そう思いながらスタッフさんに頭を下げ、提灯を返す。飯田はふらつきながら近くのベンチに歩み寄っていた。腰抜けてなくて良かったわ。
沈んだ雰囲気を纏った飯田の隣へ腰を落とす。背中を擦りながら大丈夫か？なんて声を掛ける。それに返ってきたのは暗い声。
「情けない。戸田くんの前で取り乱してしまうとは。というか恐怖の余波が凄いな、此処のお化け屋敷は。」
「そうだな、って今さ凄い爆弾落としてった気がするんだけど？その言い方だと私、色々勘違いするなァ。」
返事は聞こえない。ただ分かるのは飯田の耳が真っ赤に染まっていることだけ。これは調子乗っても良いよな、茶化しても良いよね！
顔に集まる熱を無視して飯田との距離をほんの少しだけ詰める。胸の脈打ちが更に加速して、余裕ぶるなんてやっぱ出来ないらしい。詰めた距離を戻してしまう。
意気地が無いな、我ながら思う。
夏にしては冷たい風が頬を掠める。心地が良いなんて思っても、一向に引く気配の無い顔の熱さ。
「戸田くんも、真っ赤じゃないか。」
「お揃いだなーとか言ってみる。」
「……可笑しいな、変に意識してしまう。」
コイツはどんどん爆弾を落としていく。
負けてられるか。覚悟しろ、飯田。
「キスは、観覧車か？」
彼の肌が赤みを帯びていく。
気分が良い。
「此処でも、良い。」
そう放ち笑う彼に目を奪われた。
勝てないなァ。
●それが愛だと言うのなら[赤黒血染]※糖度高め注意→←○幽霊も甘過ぎは喰えない[飯田天哉]
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るぜろ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエストありがとうございました、もし、ご期待に添えていませんでしたら申し訳ございません。 (2018年8月13日 11時) (
レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
るぜろ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» ミリィ様、リクエストを受諾致しました、完成させ次第公開します。 (2018年8月10日 17時) (レス) id: 7585b82a1c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクでステイン様お願いします ステイン様が夢主に溺愛してるのが見たいです激甘で るぜろ様で (2018年8月10日 17時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：バーコードくん x他1人 | 作成日時：2018年8月9日 14時
