気持ちいい散歩 ページ7
こんなに…
こんなにいただいて
お金も、はらわず…
「沢山もらったからお昼はパンだね！
夜もパン？よかったなー！」
「…いや…これは…いいんでしょうか？…
つい甘えてしまったけど…これって商品ですよ…
僕達…お金払ってないんですよ？…」
「うん。嬉しいな！ただだし！
やっぱりいい人だったよなー…うん。」
「……いきなりあらわれて…根こそぎパンを持って帰るなんて…泥棒みたいなもんじゃないでしょうか？……やはりお金を払うべきじゃなかったでしょうか？…ねぇヒョン…」
「？なんで？もらってほしいって言ってたよ？
僕達が来て嬉しかってたんだよ。
ありがたいよねー。美味しいし。」
「あ！あんたまさかもう食べたのか？！」
「二個だけ。」
いつの間に…
「でもシンガポールだってさー。
何の仕事なんだろうな？」
「はい？…ああAさんですか？
さぁ…くわしく聞くのも失礼だし……」
「来月帰るんだね。チャンミンまた行くんでしょ？
僕も会いたいから行く時には教えてよ。」
「はぁ…まぁ…どうでしょうか…」
「行かないの？」
「いまさら…それに…僕は帰国する事も話さないで
それきりで…その…僕に会うのも…もしかしたら…
その…会いたくないかもしれないし…」
そうだよ…ほんのすこしの間仲良くした
外国人なんて…きっと…
「…チャンミンが会うの嫌なら仕方ないね。」
「嫌だなんて言ってないです！
けど…向こうが…」
「また行こう。僕も一緒に行くから。」
…はい。
「パン食べたら？これ、好きだったよな。
いつも取り合いして……うん。…
ほら、チャンミン食べなよ。」
「はい…」
…あ、美味しい…
そうだ、こんな味だったよ。
「美味しいです。」
「そう。」
「…凄く美味しい。」
「行ってよかったね。」
歩きながら食べるなんて行儀が悪いけど
たまにだから許してください。
「ここ、歩きながら
やっぱりパン食べてたな。」
「はい。家まで待てなくて。
お腹すいて。つい…」
「また来よう。」
「はい。」
さっきから電話が何回もかかって来てる。
表示はマネヒョン。
…いいやほっとけば…
どうせそろそろ帰るんだしな。
「ユノヒョン。コーヒー牛乳と普通の牛乳、
どっちにしますか？」
「普通のやつ。」
あったかいし桜は綺麗だし
パンは美味しい。
「気持ちいいですね。」
「うん。散歩してよかったな。」
はい。ありがとうございます。
ユノヒョン。
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作者名：ネサラン | 作成日時：2018年4月4日 16時
