青い花【轟焦凍】 (ページ9)

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焦凍の部屋に入ると単刀直入に聞かれた

職場体験について

去年どこの事務所に行き、どのようなことをしたのかなど事細かに聞かれた

もちろん私も事細かに話した

「がんばってね、焦凍」

「ああ、わざわざ来てもらって悪かったな。…飯食ってくか？」

「…いいの？」

「当たり前だろ」

私の家はヒーロー一家、父と母は海外で活躍しており、家に帰ってくることがあまりない

私が小学校に上がった頃から海外活動が増えて一人暮らしのような日が多かった

だから近所の轟家には大変お世話になったし、今でもこうしてご飯を頂いたりしている

「ごちそうさまでした！！！！…じゃあ、私帰るね…！今日もありがとう…また明日ね！」

振り返ってバイバイと手を振ると靴を履き始める焦凍

え？と戸惑っていると

「送る」と言った

「いやいや、近所だし…いいよべつに！」

「いや、送る」

焦凍は一度決めたら頑固なところがたまにある

送ると決めたら送るのだ

大人しく送られた

_____________

「最近、用事が多いがなにしてんだ？」

送ってもらうだけのはずだったのになぜか私の部屋にいる焦凍

焦凍が私の行動について聞いてくることは珍しい

普通にベッドに腰掛けて私のウサギのぬいぐるみの顔を両手で挟んで潰したりもみもみしたりしている…かわいい…

私もベッドに腰掛けた

「あー…爆豪勝己と練習してる」

「爆豪と？」

焦凍はウサギのぬいぐるみをいじる手を止めてこっちを見た

怪訝そうな顔をしている

「…だって、毎日教室にきては『勝負しろォ！！！』って叫んでさ…おさめるにはこれがいいかなあって…」

なにを言い訳みたいなことを言っているんだ私は

ことの始まりはどうあれ、爆豪勝己と練習しているという事実が焦凍に怪訝な顔をさせている

なぜなのか、理由はわからないけど

なんだか申し訳ない気持ちになった

「…俺も…」

「え？」

焦凍は体をこちらに向けて私の手を包んだ

「俺も、Aと練習がしたい」

かッ………………、

かわいいいいいいいい…！！！！！

愛おしさのあまり思わず抱きしめて、頭をよしよしとぐしゃぐしゃ撫で回した

されるがままの焦凍は昔のまま変わらない

カワイイは正義