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轟焦凍side
「焦凍ぉ〜、おはよ〜！学校行くよ〜！」
玄関で靴を履いていると外から大声で呼びかける声がする
玄関まで見送りに来た姉に、行ってくると伝えて外に出ると見慣れた青髪の幼馴染みの姿
こいつはいつも俺の先を行く…
たった1年…早く生まれてきただけなのに
されど1年…こいつは俺よりも1年早く個性が発現し、俺よりも早く小学校に上がり、中学校、そして…高校に進学した
去年Aが雄英高校に入学して体育祭で優勝した
そして世間から注目、称賛、期待、羨望、嫉妬…様々な感情を抱かれることになった
こいつは何食わぬ顔をしてヘラヘラと生きているように見えるが、抱えてるものは相当重いはずだ
そして俺が抱いている感情にもこいつは気付いているだろう
Aを超えたい…
毎年感じる1年の差が俺のこの気持ちを増大させていった
__________
「しょうちゃんの力、かっこいいね！」
「しょうちゃん、すごいね！」
「しょうちゃん、さすがだね！」
昔Aが俺にかけてくれた言葉はすべて俺が他の人から聞かされるAへの評価と同じだった
「Aちゃんの個性強いな！チートかよ！」
「Aちゃん、雄英トップらしいな！」
「さすが、月人(つきひと)さんと華(はな)さんの子だよな！」
…いつだかAと約束をしたことがあった
「しょうちゃん！Aね、困ってる人がいたら助けたいんだ！みんなを救うヒーローになりたいんだ！」
「おれも！Aを守りたい！」
「わたしも、しょうちゃんを守る！」
そう言って2人は約束を交わした
「将来最強のヒーローになってお互いを守る」と
だから、余計に焦った
Aだけいつも先に行くから
俺だけ置いてけぼりにされてる気分だった
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作者名：shiro | 作成日時：2020年4月8日 12時
