No.142 ページ42
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翌朝。登校初日とは打って変わり、Aは遅刻する五分前くらいの時間に職員寮を出た。遊歩道を歩いていると、次第にクラス寮から出てきた生徒達と合流する。
ざわざわ、ざわざわ。
Aを見てコソコソザワつく名前も知らない雄英の生徒達を知らん振りするのは中々ストレスだ。
Aはハア、とため息をついた。
原因は分かっている。昨日から世間を騒がせている報道だ。
最近の技術は凄い。荒っぽい画像を鮮明にする事なんか朝飯前で出来てしまう。映像の中のAは幸いド正面から映る事はなかったが、横顔だけでもAIが何となく顔の特徴を掴んで似顔絵を作り上げてしまう時代だ。
一応この国を守った功労者なのにお前は指名手配犯か(その通りだったのだが)と言わんばかりにAI予測で描かれた似顔絵が世の中に拡散してしまった。
今朝ニュースを相澤と見たが、似顔絵は中々に似ていた。
現在公安が必死になって情報操作に乗り出しているが、一度世に回ってしまった情報を消すのは不可能だ。
『うちの生徒は誤魔化せないだろうな』
相澤は頭痛が痛いという顔で頭を抑えていた。
つまり、そういう事である。
なるべく突き刺さる視線を気にしないようにぼんやりと歩いていたら、いつの間にか1年A組の教室の前に着いてしまった。
うわ、今度はクラスメイトに奇異の目で見られるのか。
Aは心做しぐったりしてしまった。嘲りや憎悪の目は慣れているが、こういう無邪気でいながらも人を一切気遣わない視線は初めてで、これが中々クるのだ。物理的な痛みがない分、後味が悪い。
というか、こんな騒ぎになってる最中わざわざ来なくたっていいじゃないか。
よし、帰ろう。
バリアフリーの巨大な扉の前で一切躊躇いなくAがそう決意した瞬間であった。
｢Aちゃん、こんな所で立ち止まってどしたの？そこ扉の前だけど｣
背後からかけられた声に振り返ると、そこには上鳴がいた。
上鳴は軟派な見た目を裏切って重量感のあるスクバを肩にかけて首を傾げていた。
｢あー、いや、特に意味はないけど｣
｢あそう？じゃあ早く中入っちゃおうぜ！｣
｢え？うわちょっ！｣
上鳴に背中を押され、抵抗虚しく教室に足を踏み入れてしまう。Aがクラスに入った途端、しんと教室中が静まり返った。
気まずい。気まずいぞこれは。
Aは頭を抱えた相澤を思い出した。
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エリンギ(サブ垢)(プロフ) - rayさん» コメントありがとうございます。返信が遅れてしまい申し訳ないです。生きがいと言って頂けて光栄です！ (2022年10月8日 22時) (
レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(サブ垢)(プロフ) - あんころさん» コメントありがとうございます。最近ハマっている海外ドラマの影響で夢主の口調が若干アメリカナイズされてきていますが、どうかご容赦を(汗) (2022年10月8日 22時) (レス) @page29 id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて一気見しました！夢主ちゃんの口調とか生き方とか、先生達との関係とか、すっごい好きです！！更新応援してます😍 (2022年10月5日 2時) (レス) @page28 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
ray(プロフ) - 生きがいが更新されていて嬉しい (2022年9月17日 18時) (レス) id: 79de0296fb (このIDを非表示/違反報告)
鈴木 - 初心者生さん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただいてとても光栄です。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月25日 20時) (レス) id: a6f881356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2022年6月22日 22時
