No.121 ページ21
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｢相澤先生｣
｢何でケアロボットがこんなに？｣
｢知らないよ。心拍数が上がってるとか言われて、保健室拒否したらぞろぞろ来やがったんだ｣
｢心拍数･･････？ああ、なるほど｣
訝しげに眉を顰めていた相澤がふと目を和らげた。
｢A、緊張してんのか｣
｢･･････緊張？私が？｣
｢そうだ。具合が悪い訳でもないのに心拍数が上がるという事は、そういう事だろう｣
言われて腕の中のロボットと目を合わせる。カリカリ怒っていた先程とは一転し、きょとんとした目をしている。
じっとロボットと見つめあっていると、ひょいと奪われ、地面に降ろされた。
｢あっ｣
｢この生徒は俺が見ておくから問題ない。元に戻れ｣
『了解シタ』
あれ程言って聞かなかったロボットが、相澤の鶴の一声でスーッと引いていく。どうやら顔認識機能が付いていて、教員の指示には従うように出来ているらしい。上手くできたものだ。
｢A｣
相澤に呼ばれて振り返る。扉からのそりと出てきた相澤は、Aの頭をポンポンと叩いた。
｢ここは雄英だ。地元の中学とは違う。皆お前と仲良くしたくてうずうずしてる。だから大丈夫。心配しなくていいよ｣
触れられた所がじんわりと温まっていく。
そういえば、虐められてたんだった、と自身の小中学生時代を思い出す。
みすぼらしい格好にボサボサの頭、明らかに虐待児で、しかも学校を休みがちなAは格好の的だった。施設に暮らす子供は一箇所の学校に集中して集団虐待がバレるのを恐れ複数の学校に分散させて通わせられていたので、Aの事情を知る人間など誰一人いなかった。
具合が悪い訳でもないのに学校をサボっている、というのが虐めの発端だった。
多分、中々に凄絶な虐めだったのだと思う。多分。Aはそれ以上に凄惨な環境で日々を過ごしていたから、それがどれだけ過酷な事だったのか、感覚が麻痺して分からなかったのだ。
でも、同級生のゴミを見るような目も、担任の一向に合わない目線も、全部覚えている。
｢名前だけでいい。自己紹介はしてね｣
｢･･････うん｣
Aの返事を聞いて、相澤はサッサと教室に入っていってしまった。
Aは細く深く息を吸って、ゆっくり吐いた。
｢よし｣
教室に入る。
二十対の瞳が一斉にAへと向けられる。その中には見知った顔もあって、心臓が嫌な音を立てた。
大丈夫、大丈夫。
｢Aです。一応、名字は星風です。よろしく｣
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エリンギ(サブ垢)(プロフ) - rayさん» コメントありがとうございます。返信が遅れてしまい申し訳ないです。生きがいと言って頂けて光栄です！ (2022年10月8日 22時) (
レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(サブ垢)(プロフ) - あんころさん» コメントありがとうございます。最近ハマっている海外ドラマの影響で夢主の口調が若干アメリカナイズされてきていますが、どうかご容赦を(汗) (2022年10月8日 22時) (レス) @page29 id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて一気見しました！夢主ちゃんの口調とか生き方とか、先生達との関係とか、すっごい好きです！！更新応援してます😍 (2022年10月5日 2時) (レス) @page28 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
ray(プロフ) - 生きがいが更新されていて嬉しい (2022年9月17日 18時) (レス) id: 79de0296fb (このIDを非表示/違反報告)
鈴木 - 初心者生さん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただいてとても光栄です。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月25日 20時) (レス) id: a6f881356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2022年6月22日 22時
