No.118 ページ18
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校長室を出てから職員室に向かう間、二人はずっと無言だった。Aは今更ながらに自分の発言に後悔していた。
『そんなの、信じられたら苦労しねえよ』？いや、本当に勘弁してくれ自分。気取り屋かよ。
一人羞恥に悶えていると、一人、二人、少しづつ伽藍堂だった廊下に生徒が登校してきた。
｢相澤先生おはようございます！｣
｢ああ、おはよう｣
｢先生相変わらずヒロコスのセンスないね｣
｢喧しい。お前も随分スカートが短いようだが｣
｢先生見逃して〜｣
通りかかった女子生徒とも自然に会話する相澤に、無愛想の癖に生徒に好かれているんだなと驚く。
まあ、ただの無愛想ではヒーローは務まらないのかもしれない。
職員室に入ると、中央付近で吹き出すエアコンの冷気がAの前髪を僅かに揺らした。十月に入っても厳しい残暑が続いている。
何人かの教員がちらりとAを見たが、直ぐに手元の資料やパソコンに目を落とした。どうやらAは普通の生徒に見えるらしい。
相澤の机までやってきた所で、相澤が立ち止まった。
｢悪いが、始業前までは職員室の中に居てくれよ｣
｢うん｣
｢椅子持ってくるの面倒臭いし、この椅子座っていいぞ｣
椅子を指し示されて、首を振る。
｢このパソコンでゲームでもやるか？暇だろ｣
｢いや、寒空の下ターゲットを半日以上待ってる事もあったし別に｣
｢あー、地味にキツいやつだな。待機とはいえずっと気を張ってないといけないし、その癖何もやる事がない｣
｢そう｣
｢とはいえ、ここは学校。お前が狙ってる対象者がいる訳でもなし。つまり暇は潰されて然るべきだ。ほら座れ｣
｢え、でもそうするとアンタが座れなくなるんじゃ｣
｢いいから｣
肩を強く押されて無理やり座らせられる。渋々腰を落ち着けると、横から覆い被さる様にして相澤が手を伸ばし、パソコンを立ち上げる。検索アプリを開いてパソコンゲームと打ち込むと、ソルティアやタイピング練習といったワードが画面を埋めつくした。
｢センセーってゲームすんの？｣
｢学生時代は友達に付き合ってやっていたが、今は全くしないな｣
｢だろうね｣
ソルティアの画面が出される。軽い説明が画面上でなされて、読み流しつつエンターキーを押して説明を消す。
｢センセー座んなくていいの｣
｢右隣がマイクの席だからそこに座る｣
｢いいのかよ｣
｢いいんだよ｣
ドカッと深く座り込んだ相澤に思わずジト目になってしまった。
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エリンギ(サブ垢)(プロフ) - rayさん» コメントありがとうございます。返信が遅れてしまい申し訳ないです。生きがいと言って頂けて光栄です！ (2022年10月8日 22時) (
レス) id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
エリンギ(サブ垢)(プロフ) - あんころさん» コメントありがとうございます。最近ハマっている海外ドラマの影響で夢主の口調が若干アメリカナイズされてきていますが、どうかご容赦を(汗) (2022年10月8日 22時) (レス) @page29 id: d64584d3be (このIDを非表示/違反報告)
あんころ(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて一気見しました！夢主ちゃんの口調とか生き方とか、先生達との関係とか、すっごい好きです！！更新応援してます😍 (2022年10月5日 2時) (レス) @page28 id: 9e178210e2 (このIDを非表示/違反報告)
ray(プロフ) - 生きがいが更新されていて嬉しい (2022年9月17日 18時) (レス) id: 79de0296fb (このIDを非表示/違反報告)
鈴木 - 初心者生さん» コメントありがとうございます。楽しみにしていただいてとても光栄です。これからもどうぞよろしくお願いします！ (2022年6月25日 20時) (レス) id: a6f881356f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリンギ(サブ垢) | 作成日時：2022年6月22日 22時
