秀才の妹86 ページ46
お兄ちゃんを場外にもって行くのは厳しいだろう…多分。
なので、腕を自由に動かせないように軽く火傷を…。
「はあっ!!」
アホらしい掛け声をしながら、お兄ちゃんの腕を掴みに行く…が、間一髪のところで避けられてしまった。
もう一度…そう思いお兄ちゃんの避けた方向へ体を向けると、目の前で爆破が起こった。
それと同時に、私は後ろへと飛ばされてしまった。
熱くはない…火傷もしていないが、とにかく痛い。
飛ばされないようにしないと。
痛みを我慢しながら起き上がった途端、再び体が爆破に飲み込まれた。
「いっ…!!」
飛ばされる度に体を地面に擦りつけるので、腕からは血が出ていた。
…そうか、脱いで個性を使いやすくはなったが、逆に飛ばされた時のダメージが増えたんだ。
そうなると、飛ばされるだけでかなり体力を削られることに…それはかなり痛い。
それを分かってか、お兄ちゃんが爆破を止めることはなかった。
私に攻撃をするため…というのもあるが、私を近づけないため、というのもあるんだろう。
…ここからどうすれば…。
「なんだァ…もう終わりか？」
そんなお兄ちゃんの言葉にムカッとし、正面から突っ込んでいくも、爆破で吹き飛ばされてしまう。
指一本掠ることもなかった。
そのあとも、無我夢中になって何度も爆破の中に飛び込んでいった。
そしてその度に飛ばされ、体に傷が増えていった。
あぁ、見ないで。こんな恥ずかしい姿、見ないでくれ。
そんな願いも届かない。誰もが私の醜い姿を凝視していた。
先程のお茶子ちゃんの試合もあってか、お兄ちゃんを"卑怯だ、それでもヒーローか"と罵倒する者は現れなかった。
もういっそのこと、罵倒してくれればいいのに…、なんて。
何度目か、数えるのもわすれてしまったが、再び爆破により、私の体は地面に擦りつけられるように飛んでいった。
体中痛い、でもまだ倒れられない。そう…思ったけど、
「Aさん場外!!」
ミッドナイト先生の声にハッとし、体を見ると、
頭がステージの線からはみ出ていた。
…なんだこの、呆気ない敗北は。
でも負けは負けだ。
立って、ステージから出なければ。
そう思い、体を動かそうとしたが、なんでかピクリとも動かない。
「うご…かな…い…。」
声は出る、意識もある。
それなのに、指一本動かすことができなかった。
視線を腕に動かすと、そこには
赤く染まった腕があった。
そして悟った、キャパオーバーだ。
火傷、してるんだ。
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どこかのラブライバー♀(プロフ) - 時雨さん» コメントありがとうございます。ありがとうございます、励みになります！更新遅くて申し訳ないです…!!頑張りますので、暖かい目で見守っていてください…！ (2018年5月24日 21時) (
レス) id: a5c38f8b66 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - この作品いつと楽しく拝見させてもらってます！更新楽しみにして待ってますね！ (2018年5月23日 19時) (レス) id: 357ba3e4c2 (このIDを非表示/違反報告)
どこかのラブライバー♀(プロフ) - 8800さん» コメントありがとうございます。早く読みたいと言って下さり、凄く嬉しいです！更新頑張ります！ (2018年5月11日 22時) (レス) id: a5c38f8b66 (このIDを非表示/違反報告)
8800 - 更新頑張ってー！早く続き読みたいですー！ (2018年5月10日 20時) (レス) id: 2da2df1e9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：どこかのラブライバー♀ | 作成日時：2018年5月7日 0時
