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その日の部活、スガさんに今日のことを話したら「良かったな」と言ってくれた。
「冷泉さん、科学部辞めたんだろ？あわよくば清水と一緒にマネージャーやってくれねぇかなー…とか」
「無理じゃないっすか。運動部、特にマネージャーなんて興味無さそうな顔してますし」
潔子さんの負担が減るのには賛成だが、あいつが来ても碌なことにならなさそうだ。
「冗談だって。でも、清水のマネ業もいつかは後輩に引き継がなきゃだからな。期待するくらいはしてもいいべ」
数年後には訪れるそのいつか、それが俺には想像できなくて口を噤む。この人たちが居なくなる時が来るのかと思うと少し悲しくなった。
「準備もせずに二人で談笑か〜。何の話してたか、俺にも教えてくれるか？」
「げっ、大地さん……。すんません、すぐやります！」
ジャージをすぐに羽織って階段を駆け降りる。後ろからスガさんの悲痛な声が聞こえてきたが俺は知らない。
俺だって命は惜しい。怒った時の大地さんにはできるだけ近付きたくないのだ。
急いでネットを張ったりボールの用意をしたりと忙しなく動いていると、視界の隅に不自然な白色が映った。
手を止めて見えた方向に視線を向けると、昨日と同じ場所に冷泉が同じ姿勢で座っている。許してもらえたとはいえ、もう来ないものだと思っていたから少し面食らってしまった。
「田中ー！こっち手伝ってくれ！」
「おう、すぐ行く！」
ボーッとしていたのが木下の呼び声で元に戻される。頬を両手で叩いて集中し直すと、すぐに木下の方へ向かった。
アップをして、走り込みの後はすぐにレシーブ練。今はノヤっさんとペアになって対人パスをやっている。
相手がリベロだからボールは中々落ちてくれないし、俺もわざと失敗する気なんてない。長いラリーのくせに綺麗なAパスで返ってきたボールをオーバーハンドでトスしようとした時だった。
ボールを見るために顔を上げた時、ギャラリーにある柵に腕を乗せてこちらを見下ろす冷泉とバッチリ目が合った。
……と思ったのも束の間。俺の顔にはトスし損ねたボールが直撃し、ノヤっさんの大声が耳に響く。
「龍ーー！！？？」
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森谷きのこ(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます。気を付けているところやこだわっているところを褒めていただき、嬉しい限りです。細々とではありますが続けていくので、これからもよろしくお願いします。 (4月4日 22時) (
レス) id: 8dba170153 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 文章の構成、 情景や感情の表現、言葉選び諸々凄い丁寧で素敵でこの作品に惹かれました！楽しく読ませてもらってます！ (3月31日 1時) (レス) @page19 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森谷きのこ | 作成日時：2024年2月26日 10時
