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……眠…。マイクの不調だとか言ってたけど音小さくてほぼ聞こえねぇし、寝たらこっち見てる先生にバレるし、さっさと終わんねぇかなぁ〜。
俺は欠伸を噛み殺しながらこのクソつまらない入学式が終わることを心から願っていた。
《〜答辞、新入生代表、1年5組冷泉A》
新入生代表ってことは入試首席か…。
どうせ俺とは相容れない奴、それくらいの認識でしかなかったが興味くらいは湧くもので、首だけを起こして舞台を見た。
「んだあれ、ちっせぇ……」
不意に口から溢れでたそんな言葉。いやまぁ、その言葉通りだったんだからしょうがない。
舞台の上にあるマイクの乗った机(言い方は忘れた)や、端に立っている司会と比べて少し…いや、かなり小さい。ぱっと見、150センチ無いくらいか？
机の奥の方に置いてあるマイクに手が届かず、横に居た先生に台を出してもらっていた。
その小ささにもかなり驚いたが、それ以上に驚いたのは、制服のうえから隠す気もなく着ている白衣と、その白さに勝るとも劣らない整った顔。残念ながら俺のタイプではなかったが。
自信に満ち溢れすぎたような表情からは、ある種の��こいつはヤバい奴だ��という雰囲気が見え隠れしていた。
俺の姉とはまた違う自信というか、俺には言い表しづらいオーラというか。
まぁ、あれだ。嫌に目を引く、いわゆるカリスマってやつで、無条件で人を惹きつけるようなとんでもねぇ奴だった。
「初めに言っておこう。人間らしく在ろうとしない奴に私は価値を感じない。
ならば、人間らしいとは何か。それは頭を使うかどうかだ。人類の発展は夢と願望で構成され、諦めずに考え続けた者だけが築いてきた。
夢すら持たず、ただ現状に満足して思考を止めるような者を人とは呼べん。
これからの3年間で、諸君らが人間として進化していくことを願っている。以上」
……いや、馬鹿だろこいつ。頭は良いけど馬鹿だ。アホだ。一瞬でここに居るほぼ全員敵に回したんじゃねぇか？
マイクの音量なんて気にならないくらい通る声で自論を展開されるのは、勉強のできない俺から見ても意味が分からない。
教師ですら顔が引き攣っているのを見ると、思い切りが良すぎて逆に清々しい。
俺にはバレー部に入って活躍するという目標があるから、あいつの言う人間じゃない奴には入らんとは思う。
だが、あんな奴と同じ学年というだけで気が滅入るのも事実だ。
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森谷きのこ(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます。気を付けているところやこだわっているところを褒めていただき、嬉しい限りです。細々とではありますが続けていくので、これからもよろしくお願いします。 (4月4日 22時) (
レス) id: 8dba170153 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 文章の構成、 情景や感情の表現、言葉選び諸々凄い丁寧で素敵でこの作品に惹かれました！楽しく読ませてもらってます！ (3月31日 1時) (レス) @page19 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森谷きのこ | 作成日時：2024年2月26日 10時
