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翌々日。
私は学校の赤いジャージにいつもの白衣を羽織って、第二体育館の扉の前に居た。
一つ深呼吸をしてから重い取っ手を手前に引き、小さな一歩を踏み出す。上級生の号令と共に集まる部員とその視線。
人の目には慣れているはずなのに、少しだけ体が強張った。
「今日からマネージャーとして入部する冷泉Aさんだ。
清水、後でやり方とか教えてやってくれ」
一昨日の試合を観た後、私はここに中途入部することを決め、今朝書類を全て提出したところだった。そのままトントン拍子で話は進み、部長の黒川さんにも無事会って話ができた。
特に何事もなく受理されたため、こうして今マネージャーとしてここに立つことができている。
周りを見ると、数人が目を見開き、数人が軽く笑っている。そこに拒絶や侮蔑の色はない。
安堵を外面に出さないようにしながら口を開いた。
「1年5組、冷泉Aです。よろしくお願いします」
慣れていなくて下手くそな敬語を使って挨拶をする。
腰を曲げて一礼した後に顔を上げると、黒い排球部のジャージの背を指差した部員が一斉に声を上げた。
「「ようこそ、烏野高校排球部へ！！！」」
伝統？だというその歓迎は確かに祝われる側からしてみれば確かに嬉しいもので、碌な礼も言えずその場に呆けてしまった。
清水さんに肩を叩かれて我を取り戻し、若干慌てながらも仕事の説明を聞く。
聞くより実際にやった方が分かりやすいとのことで、スポーツドリンクを作りにボトルを持って水道へと向かった。
粉状になっているドリンクをボトルへ入れ、水を混ぜて振る。これを粉が完全に溶けきるまでやるらしい。
この大きさのスクイズボトルなら容量は1L程度……。飽和濃度は知らんから、隣を見て感覚で覚えればいいか……。
粉が大量に詰められた業務用らしき袋から粉末を計量スプーンですくい、ボトルの中に入れる。次に水を許容量まで入れて上下に振っていると、隣から声を掛けられた。
「Aちゃんは、このバレー部のどこが好きになったの？」
普通なら、バレーが好きだからとかだろうか。そう思わなかったということは、何か理由があるのか？
疑問符を浮かべていると、清水さんがふふと小さく笑った。
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森谷きのこ(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます。気を付けているところやこだわっているところを褒めていただき、嬉しい限りです。細々とではありますが続けていくので、これからもよろしくお願いします。 (4月4日 22時) (
レス) id: 8dba170153 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 文章の構成、 情景や感情の表現、言葉選び諸々凄い丁寧で素敵でこの作品に惹かれました！楽しく読ませてもらってます！ (3月31日 1時) (レス) @page19 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森谷きのこ | 作成日時：2024年2月26日 10時
