プロローグ ページ1
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キュッキュッと靴が擦れる音、ボールが床に叩きつけられる音、部員一人一人の大きな声。
そんな烏野高校排球部に、1人の少女が空気を読まず飛び込んだ。
「田中！！！お前、私が5日と3時間14分前に教えてやったことはどうした！直るどころか悪化の一途を辿ってたら意味無いっつったろ！？感覚で打つな、知識を無駄にするな、何度も何度も反復しろ！上手くなりたいって言ったのはお前だろ？」
スパイクの練習をしていた田中龍之介に詰め寄り、喧嘩でもするのではないかという程の勢いで捲し立てる。
叱られている当の本人は"やらかした"とでも言うように天を仰いている。
「いや、それはだなぁ…。ホラ、たまには頭休めることも必要だろ？」
「私がお前らの練習を見てから約40分。お前が注意をしながら練習しているところなんて見ていないが」
2年生、しかも比較的バレーの上手い田中に対してあそこまで言える彼女は何者だろうか。
そんな彼女が気になったのか、日向翔陽はオレンジの髪を揺らしながら声を掛けた。
「おいお前！俺はお前のことあんまり知らねぇけど、先輩に向かってその言い方は駄目だと思うぞ！」
「……は？」
日向の言葉に、2年と3年の部員全員が思わず吹き出した。彼女はそんな部員達を見て一つ舌打ちをすると、日向に向かって声を発する。
「私は2年だ。2年5組、冷泉A。同学年にどんな口を聞こうと自由だ。
お前こそ1年だろ？まずは自分のことでも考えたらどうだ」
2年生。その言葉を聞いた日向は、ただでさえ大きい目を見開いた。
それも当然。彼女の容姿は、とても年上のものだとは思えない。
猫のような大きな目。筋の通った鼻。薄いピンク色の唇。日焼けのない真っ白な肌。艶のある黒髪。
童顔ではあるが、紛れもない美少女と呼ばれるに値する容姿だった。
まぁ、そんなものよりも彼女を幼く見せているのは、145cm程度だと思われる身長の低さだろう。童顔なのも相まって、中学生かそれ以下と言われた方がしっくりくる。
いくら制服を着ているとはいえ、日向が同学年かと間違えるのも無理はない。だが、同学年だと思っていたのは日向のみであった。
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森谷きのこ(プロフ) - ひよりさん» コメントありがとうございます。気を付けているところやこだわっているところを褒めていただき、嬉しい限りです。細々とではありますが続けていくので、これからもよろしくお願いします。 (4月4日 22時) (
レス) id: 8dba170153 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 文章の構成、 情景や感情の表現、言葉選び諸々凄い丁寧で素敵でこの作品に惹かれました！楽しく読ませてもらってます！ (3月31日 1時) (レス) @page19 id: 67c39a707a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：森谷きのこ | 作成日時：2024年2月26日 10時
