安室さん。降谷零さんを捜してください！3

９３ 桜井side ページ6

許さない 許さない! 許さない‼
ようやく周りに居た男いた男が居なくなったと思ったのにまた別の奴が来た‼

あの糸目の大学院生から始まって変な小学生。小学生はまぁAさんが構ってる節があるけども…。桜花の王子様までやってくる始末にあの男‼安室透‼

糸目のように店に来た事もなかった癖にいつの間にかあの人の中にいる‼
彼奴に向けるあの人の目は前までいた男達に向けていたのと似たような…もしかしたらそれ以上の想いがある視線を向ける。

私の方があんなチャラそうな奴よりずっとあの人を見ていたのにどうして‼

写真を送れば少しは気にすると思ってた。そして私が相談にのってもっと親しくなるはずだったのにAさんは気にする素振り見せないからこちらから話も切り出せなかったのに…どうして彼奴に相談してるの？私の方が…ずっと…。


目の前には私とAさんを離そうと間に入る金髪男。
私を見て驚いてるみたい。大方ストーカーは男とでも思ってたんでしょう。偏見もいいとこだわ。


「貴方が写真を送ってきた人ですか？」

『ちょ‼透さん‼桜井さんがそんな事するわけ』

「名前呼び…」

『え？』

「急なポッと出の癖にAさんから名前で呼ばれるなんて、本当に消えてくれないかしら。ようやくあの男刑事達も来なくなったっていうのに…1番は私になるはずだったのに」

『桜井さん…？』


私の様子がおかしいからか心配そうにこちらを見つめるAさん。やっぱり可愛い。尊い。好き。


「ずっとずっと…見てきたの…。仲の良い常連でよかった。でもそれでは我慢もできなくなってきて話すたびにもっともっとって…欲が強くなってきた。この気持ちを伝えれば気持ち悪がられるに決まってるから押さえ込んでたのに…どうして急に出てきたあんたがAさんの隣にいるのよ‼店にだって1回位しか来た事ない癖に‼」


私の思いを知ったAさんは困惑顔。無理もない。常連客の女に急に告白を遠回しにされたんだ。夢にも思ってなかっただろう。

もうダメだ。言うつもりもなかったのにイラつきと勢いだけでストーカー行為までして気持ちを暴露して…もうAさんの店も行けない。

終わっちゃった。


そう思ってたのに。

やっぱりAさんは可愛くて綺麗で優しくて…私の好きになった人はこんなにも優しい。


金髪男の後ろにいたAさんは優しく私の手を握り微笑んでくれた。

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