安室さん。降谷零さんを捜してください！

２９ 降谷side ページ31

あいつら…。


『今思えば降谷さんがゴリ谷さんですよね。絶対』

「そ、そうですかね…」


生きていたら絶対に病院に案内したんだが…今ではそれは叶わないな。
後、Aさんにいい笑顔でゴリ谷って呼ばれると普通に傷つくな。

松田、萩原。夢の中でいい出てこい。


『透さん？どうかしました？』

「いえ。なんでも。そういえばその後どうしたんですか？」

『それがですね、結局ラーメンでもパスタでもなくて焼肉に連れて行かれました』

「なんでまた」

『航君が揉めるなら肉食えって有無を言わさず…麺ですらなくなりましたよ』

「あはは…」


心なしか遠い目をしているAさんに同情しながらその時の事を想像してみる。

伊達がナンパから女の子を助けるのは容易に想像できるが…松田がナンパに間違えられるのは気を付けないと吹き出しそうになる。
萩原は意外性のかけらもないが…松田…


『この席、寒いですか？震えてますけど…』

「いえ…お気になさらず…」


いけない、笑いをこらえるあまり震えてしまっった。
どうも彼女の前じゃ気が抜けがちだな…。


「このヒロ…さんとはどうやって知り合ったんですか？」

『ヒロ君はですね。拉 致です』

「…え？」

『私が拉 致した訳じゃないですよ⁉ まぁきっかけは作ってしまったみたいなんですけど…』

「どういった状況だったんですか」

『ヒロ君と会ったのはちょうどこの写真の日です。この日が最初で最後でしたね。全員集まったのは』

「この日が…」


まぁヒロはこの後すぐくらいに本格的に公安として動くことになる頃だろうから仕方ないよな。

にしても拉 致ってなんだ拉 致って。

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