安室さん。降谷零さんを捜してください！

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店(うち)に帰る途中は私の依頼の話になった。


『それで…会った事もない友人の友人を捜してくださいなんて案件受けてもらえるか心配で…本当、受けていただいて良かったですよ』

「そんなに緊張したんですか？」

『しますよ‼ だってここ米花町ですよ？何か犯罪起こすんじゃないかって疑われるの覚悟でしたから…』

「あぁ…」

『実際、依頼内容言ってる途中少し視線が鋭くなったりしてて無理かと思ったんですけど…急に雰囲気も優しくなり始めて依頼を受けてくれたんです‼ 』

「それは良かったですね」

『はい‼』


本当にこの米花町でこんなに怪しい依頼を受けてくれるかずっと心配で…朝から緊張と心配で胃がキリキリしてたけど今はすごい心が軽やか。


「それにしてもそこまでして会いたい友人の友人に会ったらどうするんですか？」

『この友人達からの預かり物を渡すのが1番ですが…コレは探偵さんにも言ってないんですけど。その人に会えたら2、3発叩いてやろうと思って』

「…発と言ってる時点で叩くというよりも殴るの方が合っているのでは」

『…オブラートに包んだんですよ』


降谷さんにも事情があるだろうから勝手な自己満足になってしまうけど…あんなに皆が心配していたのに連絡もよこさないで葬儀にも顔を出さないなんて、ちょっと腹が立つ。

お墓参りには来てくれてるんだとは思う。お墓参りに行った時たまに誰かが来た痕跡があったから。佐藤さん達に確認してもその時期は行ってないって言っていたから恐らく降谷さんだとは思う。ていうかそうであって欲しい。

でもやっぱり、皆にあんなに心配かけてたのになんの連絡もしない人にタダで皆との思い出…それが降谷さん宛のメッセージでも…ソレを渡すのは嫌。
だから皆に心配かけた罰としてそれ位したって許される…はず。

まぁ、降谷さんゴリラらしいし大したダメージ受けないだろう。


「キャーッ‼誰か‼そのひったくり捕まえて‼」


悲鳴を聞き、後ろを見るといかにもひったくり犯って人がコッチに向かって走って来た。


「どっけ‼」


私は重心を低くし男の懐へ入りそのまま男を投げ飛ばした。
そのまま昴さんが男を抑えその間に女性にバックを返す。近くにいた交番警察が男に手錠をかけ事件解決。


「…何か格闘技でも？」

『柔道と空手を…護身術として教わってました』


昴さんからする、それで殴るの？って視線は気づかないふりをする。
大丈夫。降谷さんはゴリラらしいし…。

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