願いが1つ、叶うなら【名前変換オリジナル】

最終回 ページ47

「…先生？」





恭介「久しぶり、仁科さん」







平然とした顔で花壇の前にいる先生に
幻でも見ているんじゃないかってつくづく思う



「…っ」







涙が出そう…
だってずっと会いたかった…


先生がいない日々が怖かったから。
いつまた友達が居なくなるか
いつまた喧嘩して殴られそうになるか




そして先生を忘れてしまうんじゃないかって思った









「…なんで」






泣きそうで、無愛想にそんな言葉しか言えなかった。








恭介「…会いに来たから」




「誰に…」









恭介「…仁科さんに」









するりと瞳から涙が零れた。





「…そんな」




恭介「泣いてもいい、これからは俺がいる。もう俺は先生じゃないけど…仁科さんの近くにいるよ」



「海外行くんじゃないんですか！私の気持ち知ってて近くにいるんですか！」





泣きじゃくって、先生に向かって言った。







恭介「これからは日本で勉強する。そして仁科さんの気持ちに返事を届けに来た。」






桜咲く季節…
私達を引き立てるように花々はゆっくりと揺れている









恭介「1から仁科さんと向き合いたい。今まで仁科さんを忘れた事はなかった。俺のそばにいてください」









ちっぽけな私を見つけてくれた人は少し遠い人だった。
でもそれは私が思っていただけの心の距離だったかもしれない




今こんなに近くにあなたがいる。



手を伸ばして、あなたと抱き合って。








願いが1つ、叶うなら…私は









「先生…好きです。」









Fin……⋆°｡✩

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