潰してほしいんだ？

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96猫side


沙羅・・・。



遅いなあ。



何しに行ったんだろ。



トイレじゃないよね。かれこれ10分は立ってるし。



「遅いですねえ・・・。」



あ、みんなそう思ってたんだ。そうだよね。



うらたんも途中でいなくなってるし。



「じゃ、ちょっと見てく『あほはさかたんでしょっ！』・・・る？」



え？



腰を上げかけて、突如聞こえた声。



たぶん、無意識なんだろうけど、沙羅って声大きいんだよね。



そのせいか、めっちゃはっきり聞こえた。



それと、沙羅ってさかたんのこと坂田って呼んでなかったっけ？



いつの間にそんな仲良く・・・。



「ちょ、いつの間に沙羅ちゃんと仲良くなったの、坂田。」



「うええっ？仲良くなった覚えなんてないけど・・・。」



はあ？じゃあなんで「さかたん」なの？



「学校の人も優君とかだしなあ・・・。」



そらるんが坂田に尋問して、まーしぃもお悩みの様子。



いきなり、まふががばっと顔を上げる。



「歌い手！」



「「「はあ？」」」



歌い手ですよ！と叫んで、ほおを紅潮させている。



「だから、どういう・・・。」



「だーかーらー！さかたんって呼ぶの歌い手の人たちぐらいで！沙羅ちゃんの声どっかで聞いたことあると思って！歌い手やってるなら！浦田さんも知ってるだろうし！二人の間では「さかたん」だろうし！歌い手やってるならあれだけの声が出るのも理解できるし！滑舌いいし！それに「わかったわかった！わかったからまふ！」」



いきなり話し出したまふを、途中でそらるんが遮る。



まふってあんな声出たんだ・・・。



「ってことは、沙羅ちゃんが歌いてやってる・・・って、こ、と？」



みんなの視線がわしに集まる。



そりゃそうか・・・。



一番沙羅と仲いいのわしだし。



「ええ・・・。わし、初めて聞いたんだけど。」



「くろにも言ってないってこと？」



「そうなるねえ・・・。」


沙羅・・・。



わしにも言わんなんて。



親友やと思っとったのに。



なんでうらたんなん？



その時、うらたんが戻ってきた。



じいいいっとうらたんを見つめる。



「え・・・なに？」



その直後、沙羅も戻ってきた。



またまた皆でじいいいっと見つめる。



「え・・・なに？」





皆ブハっと噴き出す。



なんで二人そろいもそろって同じ言葉なんw



似とるなあ・・・。

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