prologue ページ1
そよそよ そよそよ
風が吹き抜ける
ふわっと薫った風は、俺の鼻をくすぐり、東の方向へと去っていった。
縁側で空をぼーっと眺めてみれば、その一面の蒼の中にたい焼きを見つける。
白くてふわふわのたい焼きに向かって、二三度手を伸ばしてみるが、俺の手はすかっと空を切った。
再び、風がそよそよと吹く。
すると、たちまち空のたい焼きは形を崩し、雲へと戻っていった。
「あ〜ぁ.....残念」
ポツリと呟いた俺の声は、広がる蒼へと吸い込まれていく。
「なにが残念なの？」
突然聞こえた声に驚いて振り返れば、そこには愛しい君の姿があった。
ゆっくりとこちらに歩み寄り、隣に腰を下ろした君に、声をかける。
「おはよ、翔くん」
すると、翔くんはにっこり笑って、
「おはよう、智くん」
優しい声が、聞こえてきた。
それだけで、俺の心は晴れやかになる。
「で、なにが残念なの？」
首をかしげる翔くんに、空を指さす。
「たい焼きが......」
空に帰っちゃった。
そう続けようとしたけれど、口が止まる。
「あっ.....」
代わりに出てきたのは、驚いた様子の小さな息だった。
再び目を向けた空に浮かんでいたのは、大きなハート。
目を丸くする俺の隣で、翔くんが楽しそうにふふっと笑う。
「いいことがあったついでに、面白い話聞かせてあげようか？」
そんな声に翔くんの方を見れば、澄んだ瞳をキラキラと輝かせた君がいた。
「お話、聞きたいな」
そう言えば、君は嬉しそうにまた、ふふっと笑った。
そよそよ そよそよ
風が吹き抜ける
ふと空に目を向ければ、そこにはまだその形を保ち続ける、大きなハートが浮かんでいた。
「これは、一夏の奇跡のお話」
話し始めた君の、優しく心地よい声に、そっと耳を傾ける。
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萌奈美 - RANNKAさん» 祝福ありがとうございます。尊敬だなんて///照れますなぁ(//∇//)更新頑張るぜいっ!! (2012年12月29日 1時) (
レス) id: 293cec90ed (このIDを非表示/違反報告)
RANNKA - 萌奈美さん、新作おめでとうございます(*^^*)やっぱり、言葉使いとかが上手ですね！尊敬します！！更新、頑張って下さいね(*´∀`)♪応援しています(^^) (2012年12月29日 0時) (レス) id: 9f2cb7e2ce (このIDを非表示/違反報告)
萌奈美 - 智天使さん» 智天使さん、こんにちは(´∀｀)こちらにも来てくれたんですね!!感激です!!ありがとうございます!!実は、カキ氷がシロップ水になった話ですが、実話です(笑)今年の夏の事なんですけど、本当になりました。泣きました(心で)。更新頑張りますっ!! (2012年12月28日 23時) (レス) id: 293cec90ed (このIDを非表示/違反報告)
智天使(プロフ) - 萌奈美さん、こんにちは(^-^ゞ！！ 新作、おめでとうございます^^ かき氷がシロップ水って…と、早くも爆笑しています(笑) ああ、かき氷ってほんとに頭がキィンってしますよね(泣) 歯に染みるというか(泣) 素敵なお話、これからも応援しています^^/// (2012年12月28日 21時) (携帯から) (レス) id: f105a7f9cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：萌奈美 | 作成日時：2012年12月27日 22時
