第一章 ページ3
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父「伊織、尊。ほんまにすまん...！」
伊「しゃーないしええよ。なぁ？尊？」
『...姉さんの言う通りやわ。どーせ僕らは一年やし』
必死にすまん！と謝るのは僕の父、憑神泉。
そう、僕らは父さんの仕事の都合で転校することになったのだ。
僕も伊織も一年生になる時期だしそんなにかわりないけど
伊織は高校一年生に。僕は中学一年生に。
またどうせ新しい出会いのある時期に変わりはない。だから気にしない
母「伊織も尊も強いんだから大丈夫よ。」
父「自慢の子供たちだ...」
伊「何かあったらうちが守ったるからな！」
『大丈夫やから...』
姉さんと僕の学校は同じ。中高一貫校に通うから。
名前？あぁ、我々高だよ。日本じゃ有名だよね。
中高一貫、いじめ自体はゼロな我々高。
...私学だから金はそこそこいるけど僕ん家はわりと
稼ぎもある方だし大丈夫。
母「お父さん。そろそろ仕事よ」
父「そうだった...伊織と尊も学校だな。」
伊「母さんは今日仕事ないの？」
母「今日は夜勤なの〜！」
出来立ての料理が振る舞えない！と少し悲しそうな母
...憑神美月。子供バカである。
父さんもそうだけど母さんの方が子供バカ。
中々にヤバいよね。
『...まぁ、学校行ってくる。』
伊「うちは後から行くな〜！まだメイクが...」
父「...伊織。」
あ。父さんの前でそんな事口にしちゃだめなのに。
いや、別に父さんは否定的なんじゃない。
しまった。と口をつぐむ伊織。
ただ、ただ...
父「もっと髪巻けるだろ！！」
ほらこうなる〜、！！！
こうなると父さんはうるさい。
伊織をとびきり可愛く仕上げるまでうるさい。
こっそり家出よ...
『行ってきます』
ちら、と母さんの方を見るとウィンクしてた。
...はぁ。何なんや...？
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作者名：津 | 作成日時：2023年5月25日 9時
