黒衣5人 ページ6
五条side
噂の補助監督を探しに、京都校までわざわざ訪れた。
この前呪物を盗られて以降、京都校関係者はあまり雰囲気は良くない。主に楽巌寺学長の。
「アンタ何で事前連絡しないの!」
背後からツカツカと足音がする。
「あ歌姫〜。お出迎えありがとー」
「1ミリも歓迎してないですさようなら」
「冷たいなぁ」
「自業自得でしょ」
フンッと顔を背ける歌姫に、慌てて着いて行く。
これでも一応案内はしてくれるんだよな。ツンデレかよ。
アラサーがツンデレとかキツいぞー。婚期逃すぞー。……まぁ呪術師やってたら婚期も糞も無いけど。
「それで?一体何の用?とっとと帰って欲しいんだけど」
相変わらず冷たい歌姫に、1つ息を吐いてから尋ねる。
「安倍 常って補助監督に合わせて欲しいんだけど」
ピキーンと空気が固まった気がした。
あれ既視感。
地雷踏み抜いたかな?それとも都合が悪かっただけだったかな。
どちらにしろ分かり易い。
歌姫の良い所その1:分かり易い。いやいや1ミリも馬鹿にしてないよ???
機嫌悪くなって、口割り難くなるのが1番避けたい所だが。
「あー、今日は居ないの。ちょっと出張中」
歌姫はそっと目線を下げているが、嘘は吐いていなさそうだ。
あ、因みに話している途中に目線左上向いたら、嘘吐いてるって。これマジ。本気と書いてマジと読むタイプのマジ。どっかで聞いた。悠仁からだった気がする。
これ知らなかった方が良い奴だ。
「じゃあその子について教えてくれない?今日はそれで引くからさ」
「……私の従姉妹よ。以上。はい帰った帰った」
教える気ないね。
まぁ歌姫の従姉妹ってことが本当なら、庵家の関係者から調べようがある訳だしまぁまぁ大きい収穫だったのかな?
歌姫に背中のグイグイと押され、正門まで押し出される。
「緊急時以外来るんじゃねぇぞ。もう緊急時が起こって欲しくないけど」
背中に歌姫の声を残し、僕は京都校を出た。
「歌姫の従姉妹ならチクりは……あーどうだろ」
帰り道に菓子屋に寄りながら考える。
あの歌姫の従姉妹だ。かなり微妙なラインだ。
「今は信じるしかないか」
※全てサボるのがバレるのを防ぐ為の行為です
17人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緑の白猫 - 緑の白猫表示ですが、作者です。 (2021年4月23日 17時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
緑の白猫 - コメントありがとうございます! 返信遅くてすみません。自分の作品に面白いと言われるなんて恐縮です。暇潰しになってくれていたら、本当に感謝です。 (2021年4月23日 17時) (レス) id: 41276e8159 (このIDを非表示/違反報告)
ミケ(プロフ) - 面白くって一気に読んじゃいました。 (2021年4月18日 16時) (レス) id: fbf0fa4848 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:陽毬 | 作成日時:2021年3月15日 21時