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お互いの思いが確信に変わった瞬間からは、これもまた進みは早かった。
初めてマークに、友達の家に泊まるね、とメールを送ったのもそう遠い話では無かった。
うちの家のシャンプーと、ドンヒョクの家のシャンプーは違う匂いがする。ごく普通のこと。
でも、こんな数分で自分自身の匂いがドンヒョクに近しいものになってしまった事に対して、罪悪感と幸福感が混ざっておかしくなりそうだった。これを背徳感と言うのだろうか。
その時は全く家で使っているシャンプーの匂いが思い出せなかった。
「寛いでてね」と風呂上がりの私に一言そう告げて、風呂場に向かうドンヒョクから、今の自分と全く同じ匂いがして胸がキリキリと痛んだ。
ベッドに腰掛けてみると、いつもと違うベッドの高さに当たり前な違和感を覚えた。ドンヒョクの家のベッドはうちの家のベッドより少し高かった。
サイドテーブルにはドンヒョクが毎日付けている腕時計と、簡易的なライトが置いてある。
そして私はそこに自分の腕時計も並べた。
なんだか落ち着けなくて、ベランダに出てみると、夏の夜の風が心地よく当たりなんだか泣きそうになった。
決して絶景だとは言えないここからの夜景と、うちの家のベランダから見える夜景を比べてしまう。
私が夜景を見るのが好きだと言うのを見兼ねたマークは、この辺で一番夜景が綺麗に見えるマンションを選んでくれた。
二人でベランダで缶ビールを口にしながら、あそこに行ってみたいね、と色んな建造物を指さした。
最近はもうネタが尽きてしまって、ベランダに出る事すら無くなってしまったけど。
すると私の左側に小さな何かがあるのに気付いた。灰皿だった。
へぇ、ドンヒョク吸うんだ。
まだ少し吸い殻が残っており、それは最近のものに見えた。
その割にタバコ臭くないな、なんて考えていると右側にタオルを巻いた君がやって来た。
『ごめんね、勝手にベランダ出ちゃって』
HC「ヌナベランダ好き？ここ風気持ちいでしょ？」
『うん、いいね、ここ』
濡れた髪で外出ちゃだめだよ、風邪ひくから
HC「俺？もう乾かしたよどこ見てんの」
そっか、乾かさないのはあの人だけ。
すると、そのふわふわの頭は、私の頭に鼻を近づけると、「俺ん家の匂いだ」とふふっと笑った。
そして私を引き寄せるたれ目の君に随分と心を許してしまっている自分が嫌だった。
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かげろう(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。シリアスめなものを書くのは初めてなので、ちゃんと皆さんに満足して頂けているか心配だったんです…泣本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。小説は、幼い頃から全く手につかないんです。毎回文字で酔ってしまって…笑 (1月1日 5時) (
レス) @page10 id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
み - 素敵、日頃から小説を読まれたりするんでしょうか？何年ぶりか占ツクを覗いてみたらこんな素敵な作者様に出会えて感動。更新楽しみにしてます (12月30日 3時) (レス) @page10 id: af8ac8d205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年12月19日 3時
