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HC「喧嘩したの？」
私の目が腫れていた日には、そう言ってコンビニでアイスを買ってきてハンカチにくるんで渡してくれた。
「溶けてきたら食べるんだよ？」と言いながら指の背で私の頬に触れる君は、とても年下には見えない。
HC「ヌナはヌナのままでいいよ。」
私が家で珍しくあの人に怒られてしまった事を彼に吐くと、そう言って頭を撫でてくれた。
「そんな事でおこんだ、変わってんね」
次からすぐ俺に連絡してよ、と言うドンヒョクに、返す言葉も無く頭を撫でられている私は本当に君より年上なんだろうか。
HC「ヌナ、その人の事ほんとに好き？」
初めて他人に核心を突かれた瞬間だった。
思わず私は、わからないと答えてしまった。
別にマークに対してなにか不満があるのかと聞かれれば、間違いなく私は無いと答える。
だけど、何かが足りなくて。
愛し合う時間が短くなったからかもしれない、マークから十分な愛を受け取れていない気がして。
または私からマークへ、自信をもって十分な愛を贈ることが今は出来ないような気がして。
マークの何かが足りないんじゃない、ドンヒョクに比べて何かが足りていなかった。ただそれだけ。
私が乾いた植物だとしたら、マークは水で、ドンヒョクは炭酸水。
植物は通常水を与えてもらえれば、普通に枯れずに済むし、何不自由なく成長できる。水が無いと生きられない。
それに比べて炭酸水を与えると、芽の成長が170%にも増えるそう。また、緑の色合いまで健康的になると言う。
私は一度良い味を知ってしまったから、もうそれでしか満足出来なくなってしまった。贅沢しすぎるのは良くないと言う母の教えは限りなく正しかった。
HC「ヌナ」
もう明かりが少ない。
そんなオフィスにパソコンの光に照らされているのは二人だけだった。
君は椅子のキャスターを滑らせ、私に近づき、私の肩に手を置き顔をのぞき込む。
そして習慣のように、私の頬を撫でる。
私の首に手をかけて次に進もうとするドンヒョクを止めようとする意欲はもちろん湧き出てこなくて。
お互いの曖昧さに終止符を付けようとしたのはドンヒョクだった。
HC「大丈夫、ヌナは俺が好きなんだよ」
これがファーストキスならどれほど清くて綺麗なものだっただろうか。
表面上に見えているものは醜くても、それは確かに愛だった。
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かげろう(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。シリアスめなものを書くのは初めてなので、ちゃんと皆さんに満足して頂けているか心配だったんです…泣本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。小説は、幼い頃から全く手につかないんです。毎回文字で酔ってしまって…笑 (1月1日 5時) (
レス) @page10 id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
み - 素敵、日頃から小説を読まれたりするんでしょうか？何年ぶりか占ツクを覗いてみたらこんな素敵な作者様に出会えて感動。更新楽しみにしてます (12月30日 3時) (レス) @page10 id: af8ac8d205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年12月19日 3時
