19 MK ページ19
十二月。
何かを締めくくる為に用意された三十日間の内のこの日に俺は、更なる進展を求め、そこへ足を運んだ。
その年の苦労を忘れるために、と執り行われた宴会に集まった顔の知れた老若男女。賑やかで、居心地も悪くなかった。
CL｢ヒョン、ヌナ来るって｣
手洗いに行くと言い席を外していたチョンロがここの椅子へ帰ってきて早々俺の目の前に出したVサインが、ピースではなく数字を表しているというのに気付くのに、そう時間はかからなかった。
安心した様子の俺を見て、良かったじゃん、と肩を俺にぶつけるチョンロの元気溌剌な様子に俺はかなり気を救われている。
『Aさんがそう言ったの？』
CL｢うん、扉側にいたからついでに聞いてきた｣
『他には誰来そう？』
CL｢他？聞いてないけどそれなりに来るんじゃない？｣
『ほら、お前の左側の奴らとかさ、』
CL｢あー、ヒョンヒョン、ヒョン達二次会行く？｣
｢俺？俺はわかんないけどヘチャナは行くって笑｣
｢は？擦り付けんなよ｣
｢擦り付けてないよ、家帰っても風呂入って寝るだけでしょ？｣
｢うぜー、彼女と予定あるんで、ジェノヤ、お前が行け｣
｢そうですかそうですか、てことで、俺が行きます｣
だって、と即座に右を向き俺にそう伝えるチョンロ。
擦り付け合うぐらいなら、来なきゃいいのに。
心の奥の奥の方でそう呟く自分に気が付いた時は、それはそれは呆れた。
自分には、それほど余裕がないのだと。
ジョッキを片手に、賑やかな左側にさりげなく目をやると、自分よりも少し明るい茶髪ばかりが目に入る。
やはり髪色こそが、若さが垣間見える隠然たる場所というか。
『チョンロ、俺明るいの似合うと思う？』
CL｢明るいって何が？性格？｣
『いや髪色、俺ずっと暗いじゃん』
CL｢この前までヒョン真っ黒だったもんね｣
『俺的にはこれでも結構頑張ったんだけどさ』
CL｢いやー、それくらいでいいんじゃない？分かんないけど｣
しかも、明るいとキャラじゃないよ
『なんというか、地味じゃない？俺今』
まあ、否定は出来ないね
CL｢いや、ヒョンは地味ではないよ、控えめなだけで｣
『控えめ？それってちょっとダサくない？』
そう言うとチョンロがまたいつもの様にケラケラと笑うものだから、あまり分からず適当に愛想笑いしていると、それも彼にはお見通しだったようで、顔に指をさされながら余計にまた笑われてしまった。
CL｢ヒョン、おもしろいほどの恋煩いだね｣
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かげろう(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。シリアスめなものを書くのは初めてなので、ちゃんと皆さんに満足して頂けているか心配だったんです…泣本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。小説は、幼い頃から全く手につかないんです。毎回文字で酔ってしまって…笑 (1月1日 5時) (
レス) @page10 id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
み - 素敵、日頃から小説を読まれたりするんでしょうか？何年ぶりか占ツクを覗いてみたらこんな素敵な作者様に出会えて感動。更新楽しみにしてます (12月30日 3時) (レス) @page10 id: af8ac8d205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年12月19日 3時
