18 MK ページ18
戻りたいと、何度も思う。
他人行儀に “ マークさん ” と呼ばれていた頃に
戻ってみたい、と。
いや、寧ろ出会いたくなかった、という事なのか。
CL｢んーヌナは厳しいんじゃないの？｣
俺がチョンロに、遅めの青春といったような甘酸っぱい相談を投げ掛けたのは数年前、秋頃だった。
立ち飲みを設けた小さなテーブで、残り僅かになった枝豆を見据えて、流れるように酒を注文し、腕を捲って、チョンロに胸の内を明かした。
彼女の事が好きかもしれない、と。
CL｢ヒョン、それ真剣？笑｣
『逆にこれのどこが冗談に見えるんだよ、』
CL｢だって連絡先も知らないじゃん、笑わせないでよ｣
さりげなく俺に苦い事を言って、ケラケラ笑いながら早速卓に運ばれた泡が弾けるジョッキに手をつける、既に彼女の連絡先を所有している、チョンロ。
『だから、そこを何とかしたいんだよ』
CL｢んー、わかってると思うけど、俺は教えられないよ｣
『あー、まあ、わかってる』
CL｢分かってなかった顔だね｣
俺らは一応、同期だった。
そして彼女も、同期の内の一人だった。
スタート地点は悔しいほど一緒なのに、何故ここまで目に見えてわかる敗北感があるのか。
彼女とは年齢が一緒だ。
それをアドバンテージとして考えれていたのも、たった数週間程度で、モチベーションにしては、かなり弱く、薄かったらしい。
CL｢じゃあさ、飲みに誘えばいいんじゃない？｣
『連絡先も持ってないのに？いきなり過ぎるんじゃない？』
CL｢俺がヒョンならそうするよ、手っ取り早いし、大人の特権じゃん｣
チョンロには、大学生の頃から交際している女性がいるという。仲も安定しているとのこと。
それゆえチョンロには、女性と、こう、余裕を持って慣れ親しむ技能が備わっているのだろう。
もしくは、俺がそれに欠けすぎている。
CL｢あー、それかあれだね、忘年会｣
正直思った。悪くないと。
一軒目は、まず様子をみる。
勘だけど、ライバルは少なくないから、まずは様子を見る。
そして二軒目で、彼女の近くに座る。座れなくても、話せたら。
そこで連絡先を手に入れる。あとはフィーリングで。
これがチョンロの考えた策だった。
正直、俺にしては珍しくかなり希望の兆しが見える策だった。タイムスケジュールが窮屈では無いし。
CL｢ヌナが二軒目来なかったら正直終わりだけどね笑｣
『もうそうなったらー…負けだよ』
CL｢ははっ、流石に可哀想だからまたなんか考えてあげるよ｣
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かげろう(プロフ) - みさん» コメントありがとうございます。シリアスめなものを書くのは初めてなので、ちゃんと皆さんに満足して頂けているか心配だったんです…泣本当に嬉しいお言葉ありがとうございます。小説は、幼い頃から全く手につかないんです。毎回文字で酔ってしまって…笑 (1月1日 5時) (
レス) @page10 id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
み - 素敵、日頃から小説を読まれたりするんでしょうか？何年ぶりか占ツクを覗いてみたらこんな素敵な作者様に出会えて感動。更新楽しみにしてます (12月30日 3時) (レス) @page10 id: af8ac8d205 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年12月19日 3時
