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「なんできたの」
保健室に足を踏み入れ扉を閉めると、早速聞こえてきたそんな可愛げのないセリフに、ほんとに事故っちゃえばいいのになんて大人気ない事を考えてしまった私を心の中でしたくもない反省をしてから、たった一つだけカーテンが閉まっている場所に足を動かした。
でも私の“失礼します”の一言だけで今来たのが私だって判断出来ちゃう可愛いところがアイツにはあるんだよ、と自分に言い聞かせて無理やり苛立ちを沈める。
『私にそんな口聞いていいの？』
「お前だからこんな口聞いてんの」
入るよ、とカーテンを捲ると、やはりそこに居たのは私の想像していた声の主で的は得ていたものの、思っていたものとはあまりにも違う病人らしくないその様子に眉をしかめてしまった。
ベッドの背もたれにもたれて、右手にはスマホ、左手は行き場をなくしたように頭や首を行き来している、そんなとても病人とは思えない態度で一向にこちらを見ない君に、一度咳払いをしてやった。
すると私の顔にちらっと視線を移すと、見間違いでしたとでも言うかのように、もう一度目を細めてスマホに視線を戻したのであった。
スマホなんか見てもどうせ見えないくせに。
『あんた、これいらないの？』
HC「あー、忘れてた、そこ置いといて」
『何その言い方、持ってきてあげたのに』
HC「はいはい、ありがとねー」
『でもスマホ見えてんでしょ？わざわざ私が持ってくる意味なかったね』
HC「いやこれブロックゲームだから色でギリいける、でもステージ選択の文字が見えなくて困ってる」
変な理屈つくってんじゃないよ。ふかふかだけどよく軋む居心地のいいベッドにただ一人もたれて、誰もいない保健室でのひと時を堪能できて、おまけに都合良い女が眼鏡まで持ってきてくれて、いいご身分だ。
今すぐ硬い硬いでも軋まない居心地の悪い教室の椅子に座り直してもらいたいものだ。
『A様、ありがとうございます』
HC「なに」
『A様、ありがとうございます』
HC「この前のアイスの仕返しのつもり？」
『もうこの眼鏡いらないね』
HC「あーわかったって…A様どうもありがとうございますー」
その眼鏡高かったんだって
余りにも様子が通常すぎるドンヒョクが疑問でしかなく、ドンヒョクの顔色を観察していると「なに」とブロックゲームをする手を止めて私の視線に問いかけてきた。
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かげろう(プロフ) - mitarashiさん» コメントありがとうございます！学生ヘチャン良いですよね…泣嬉しいお言葉ありがとうございます。こっちも執筆できるように頑張りますね。 (12月20日 23時) (
レス) id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
mitarashi(プロフ) - 初めまして！この作品のヘチャン凄く好みです！！笑 (12月20日 1時) (レス) @page29 id: b26963397b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年7月23日 0時
