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空気が重くて蒸し暑くて、せっかく朝時間をかけてセットした前髪も、登校した途端にその努力を抹殺される、そんな季節になった。
一日の初めぐらい颯爽とした気分で始めさせてもらいたいものだけど、この季節はそのちょっとした希望すらも受け入れてくれない。
SA「誰か教室もっとガンガンに冷房いれてー…」
下敷きで仰ぐ風すらも温いな、そう感じる夏っぽい出来事はなんだかんだ嫌いじゃない。
何も為す術なく凍えながらシャーペンを持たなければいけない冬よりはマシなんじゃないか、というのが私の考え。
クラスメイトが満足する冬の暖房じゃ満足出来ないのが、極度の寒がりの嫌なところである。
だから別に夏が好きってわけじゃない。
消去法で夏がマシなだけ。
YJ「あ、ドンヒョクおはよ」
HC「…あっつこの教室」
一言放つなり椅子を引きながら机にカバンをドサッと置くと、それを枕にして突っ伏すいつものドンヒョクルーティーン。
ロンジュンによると、いつも早く寝ろと忠告してるのにも関わらず、ドンヒョクはそれに一向に聞き耳を立てないらしい。
『何時に寝たの？』
HC「…覚えてない」
早く寝ないとダメでしょ〜？とドンヒョクの柔らかい髪の毛に指を絡ませてみた。
するとドンヒョクは頭はカバンに突っ伏したまま首だけを動かして自分自身の視線を露わにすると、私の事をジロっと見上げてみせた。
『お、今日眼鏡だ』
HC「…」
『なんで？なんで今日眼鏡なの？』
HC「…コンタクトきれた」
『可愛いじゃん、黒縁メガネ』
HC「…うるさい」
眠たい時のドンヒョクは機嫌悪いからそっとしておいた方がいい、というのは最近席が前後になってみて初めて発覚したこと。
だからこれ以上は何も聞かずに、大人しく指でクルクル遊んで少しボサついた髪を元にもどしておいた。
HC「…昨日は……たの…」
『ん？なに？』
席を立ってユジナ達の所へ行こうとした時に急にドンヒョクから喋り出すもんだから、言葉に耳が追いつかなかった。
急いでドンヒョクの埋まった口元に耳を近づけてみると、一つため息が聞こえてからまたボソボソと声が聞こえ始めた。
HC「…だーかーら…昨日は楽しかったのかって…」
『あーオッパと？』
HC「…そー…」
『なにも、晩御飯一緒に食べただけだし』
HC「…」
無視されたと気付いたのは彼が眼鏡を外して机の端に乱雑に置いた時だった。
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かげろう(プロフ) - mitarashiさん» コメントありがとうございます！学生ヘチャン良いですよね…泣嬉しいお言葉ありがとうございます。こっちも執筆できるように頑張りますね。 (12月20日 23時) (
レス) id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
mitarashi(プロフ) - 初めまして！この作品のヘチャン凄く好みです！！笑 (12月20日 1時) (レス) @page29 id: b26963397b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年7月23日 0時
