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“あつい”
なんだか気まずくて喋れる状況じゃない車内で、スマホのメモに打った文字をドンヒョクに突きつける。
“がまんして”
すると、こう返事が書かれた彼のスマホが突きつけられた。
“ちかい”
私がドアに寄りかかっていて、向かい側にいるドンヒョクが私を挟んでドアに手をついているという、私達にしては珍しいこの状況。
“おまえがひっぱるから”
だって、私が引っ張らなかったらサラリーマンに押されて押されてドンヒョク奥の方いっちゃってたんだから
“ふかこうりょく”
それをみたドンヒョクは、ふっ、と鼻で笑い、それ以降返事のスマホは突きつけてこなかった。
目を開けていたら常にドンヒョクと目が合うもんだから、目を瞑って大人しくする事にした。
もう音楽聴いちゃう？どうせ暫く満員電車だし
でもさすがにドンヒョクに失礼か
寝たフリでもする？
結構眠いしほんとに寝ちゃいそう
でも今寝たらドンヒョク困っちゃうか
でも最寄りまでまだまだ時間あるし
HC「ちょっと、」
ドンヒョクのその一言に気付いた瞬間には、私の身体を支えているのはドアでは無くて、ドンヒョクの腕になってた。
それと同時に背にあったはずのドアを出入りする沢山の人達。
こっち側のドアが開いたんだ。
“ごめん”
右手にはスマホ、左手では軽く指を揃えて謝ってみた。
“おれがいなかったらおまえしんでたよ”
今日二度目のお陀仏の危機から救ってくれたドンヒョク。
“きょうめっちゃどんひょくにたすけられてる”
間違いなく今日のMVPはドンヒョクかも。
“かっこよかった？”
んーどうだろう。
“まあまあ”
褒めると調子乗りそうだし。
“ほれた？”
んーさすがにそこまでは。
“まだまだ”
分かりやすく不機嫌な顔しないでもらいたい。
“たすけなかったらよかった”
命の恩人さん、なかなか酷い。
“しょうじきにいうと”
ね、ドンヒョクこれだけ見て
“なに”
本当は認めたくないけど
“ちょっとかっこよかった”
あ、鼻触った。
“まんぞく”
ドンヒョクも単純じゃん
“あんたもたんじゅんだね”
すると、ドンヒョクは鼻で笑うと、そこで伝言メモは途絶えた。
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かげろう(プロフ) - mitarashiさん» コメントありがとうございます！学生ヘチャン良いですよね…泣嬉しいお言葉ありがとうございます。こっちも執筆できるように頑張りますね。 (12月20日 23時) (
レス) id: 78c5f6ccc2 (このIDを非表示/違反報告)
mitarashi(プロフ) - 初めまして！この作品のヘチャン凄く好みです！！笑 (12月20日 1時) (レス) @page29 id: b26963397b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげろう | 作成日時：2023年7月23日 0時
