ハロー、青春！ (ページ3)

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Indecisive mirror ページ3

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──優柔不断な鏡

「汝の魂の形は…オクタヴィネル…否…ポムフィオーレ…、ここはやはり…」

『どっちでもいいンで早く決めてもらえます？』

ここに立ってからどれほど時間が経っただろうか。
未だオクタヴィネルとポムフィオーレ、ふたつの寮の名前を繰り返しながら目の前でうんうんと唸りながら悩み続ける鏡に対し、俺はイライラを募らせていた。

マジで早く決めてよ。つーか俺の前まではホイホイ決まってたじゃン。なんで急に？おかしくね？どんだけ悩んでンの？

厄介な人たちが出てくる前にさっさと寮を決めてくれないと面倒な事になるからさあ、

「Aはオクタヴィネルに決まっているでしょう」

「そうですよ、オクタヴィネル以外ありえません」

「Aもオレ達とおんなじとこがいいよねぇ？」

ほら出た。

俺の願いも虚しく、どこぞのヤクザですかと突っ込みたくなるような出で立ちで現れたのは上から順に、鏡に対し胡散臭い笑みを向けるアズールセンパイ、鏡に対し有無を言わせぬ笑顔の圧を向けるジェイドセンパイ、そして俺に対し有無を言わせぬ笑顔の圧をかけるフロイドセンパイである。

『イヤ別に』

「ア"？なんで？」

『フロイドセンパイこわーい』

「締められてぇの？いいよ？おいで？」

『入学式早々に怪我すンのはヤダなあ』

「だいじょーぶ、優しくするから」

『その優しさ他の部分に活かすべきなンじゃ？』

「アハ、相変わらず生意気だねぇ」

“新入生の奴、あのフロイドリーチを相手にしてるぞ。知り合いか？”という外野の声に耳を傾けつつ、心の中で(まあ幼馴染なンでねえ…)と答える。

何を隠そう物心ついた頃から3人と幼馴染という関係にあった俺は、彼らより一年遅れてこのナイトレイブンカレッジへ通う事になったのだが。

「やはり前日に色々細工でもしておくべきだったでしょうか…Aはオクタヴィネル一択だと過信していたのがいけなかった、すみません僕の愛が足りませんでした」

何となくこうなりそうな気はしていた。俺が他寮で生活するなんてあの3人が許すはずない。

『ジェイドセンパイ頭のネジどこに落っことしてきたの？…ねえ鏡サン。俺もうオクタでいい？』

＂面倒なヤツらから一刻も早く解放してくれ＂
紳士的に浮かべた笑顔のその裏で密かに訴える俺に

「な、汝はオクタヴィネル…」

と、答えた鏡の声が怯えたように震えていたのは多分気のせいだと思う。多分。

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