プールサイドの白鳥 (ページ24)

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You side

「どした？」

私を見たまま

固まった作間くん

いや

昨日ぐらいから

天使だの悪魔だの勝手に言っていたけれど

変わってる子だろうなっていうのはなんとなくかんじていたんだけれどさ

私から視線を外さずに固まるってのもなかなかよ？

「おーい、作間くん！」

そう近くで叫ぶとハッと我に返ったように

「あ、い、いや…あ、プ、プリント」

そう言って手渡されるプリント

「ありがとう」

そう言って彼からプリントを受け取り席に座る

…ん？
なかなか応接間を出ない作間くん
いや、出ていってほしいわけとかじゃなくてね、いや、不思議だなぁって…

何か相談事とか？

そう考えると思いだす昨日の放課後での作間くんの寝言

「待って」

というすがるような声

何を意味してるのかは分かんないけれど

でも

私は“先生”だから

いや、嘘

頑張っても手が届かない自分のもどかしさを

彼のもどかしさに置き換えて

自分を肯定したかっただけかもしれない…