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Ryuto side
それまで俺はうたた寝の中、
あの日のことをまた夢で見ていたんだ
そう
また
あの日のこと
中1の7月頃だったかな
レッスン終わりのあの満員の電車の中
ちょうどHi Hi Jetsに一度加入した時のこと
本当にもう初めてのことばっかりで
何が何だかさっぱりで
“頑張ること”しか取り柄の無かった俺は
必死にレッスンでのことをメモに書いていてたものを電車の中で見返していた
今日できなかったところは明日絶対にできるようにしておこうって思って
でも
あいにく電車の中は混んでいて
電車の入り口中央の何も掴むもののないとことにいた俺はふと電車が揺れた時によろけて隣のおじさんにぶつかってしまった
少し嫌な顔をされ、小さな声で「すいません」と言ったその時
「こっち」
そう後ろからブレザー姿の女の子に声を掛けられた
振り返ると
身長は俺よりも同じか少し低かったけれどたぶん高校生ぐらいの人
アイスココアのペットボトルを持っていない方の手で俺の肩をトントンと叩いたみたいだ
彼女は電車の入り口付近の脇にいて
少し体をずらして俺が入る隙間を作ってくれた
「勉強？頑張ってて偉いね、手すりつかんでて」
そう言って彼女は体を傾けたからその時顔は分からなかった
分かったのは、プールの後なのかポニーテールから少し塩素の匂いがしたことくらい
「ありがとうございます」
後ろ姿の彼女にお礼を言った
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作者名：ポップコーン | 作成日時：2019年1月27日 16時
