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Ryuto side
「作ちゃん、右足出した後はどっちに回るんだっけ？」
土曜の9時からレッスン始める
「体ひねるだけだよ、優斗」
そうガリさんが優斗に伝えている
そう、新しい曲の振りだ
今回の曲にはアクロバットに加えて、フォーメーションが目まぐるしく変わる
だからか
「作ちゃん、右足遅れてね？」
「めっずらしい〜」
俺は
バク転の後の振りがどうしてもうまくいかなかった
「ごめん、もう一回やらせてくれない？」
そうメンバーに言う
「いいよいいよ、俺もまだ振り曖昧だし〜」
そうはしもっちゃんが言ってくれる
「ってか、優斗のほうがひどいしな」
そう優斗に目をやりながら瑞稀くんが言う
「今がんばってるんですけろ〜！」そう大声で抗議しながら
ちょっと離れたところで優斗はガリさんから特別レッスンをうけている
その後も
何度も振りをやったけれど、なかなかバク転の後の右足が追いつかない
「ここ、バク転無くす？」
「確かに、危ないしな」
そう言ってくれるメンバーに
「いや、やるやる、その方がパフォーマンス綺麗でしょ」
そう言う
強情なだけかもしれない
“できない”って言われたくないからかもしれない
でも、
1番の理由は
メンバーが本当に優しいから
加入して約1年半一緒にいて一番俺がそれを感じている
でも
だからこそ
俺は不安になる
もともと4人で完成されていたものに俺が加わる
パフォーマンスでクオリティーを下げるなんてもってのほかだ
時計の針が正午を過ぎ
はしもっちゃんが、「ごめん、大学行かなきゃだわ」と言う声と共にレッスンが終わった。
「1回目の振り合わせなんだから、気にすんな」
そうガリさんも言ってくれてたけれど
だけど
頑張っても
頑張っても
上手くいかない
このもどかしさに焦らないわけがなくて
あぁ
先生に会いたいんだ
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作者名：ポップコーン | 作成日時：2019年1月27日 16時
