急に、死んでもいいわ、だなんて。Ⅱ (ページ14)

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Mizuki side

「あ、ごめん、さんきゅ」

そう受け取ったのは
役の上で髪にとめていたヘアピンだった

はしもっちゃんからもらったヘアピンを受け取って髪に刺そうとするも、鏡がない中でやるにはなかなかうまくいかない
…女の子ってやっぱりすげぇな
なんて思いながら悪戦苦闘していると

「貸してみ、どの辺つけるんだっけ」

そう俺の手からヘアピンを奪うはしもっちゃん

「あ…ごめん、右の耳上らへん」

そう言ってヘアピンを渡す

「おし、この辺かな」

そう言いながらヘアピンを刺すはしもっちゃんはそのまま言葉をつなげた

「やっぱ、舞台観て思うわ
やっぱさ…瑞稀はすげぇよ」

あぁ
こういうとこなんだよな
俺がこいつにかなわないところ

そうこの言葉…
まだ全然ちびっこのjrの時、他の舞台でオーディションで俺が選ばれた時も、はしもっちゃんは、同じようにオーディション受けていたけれど、ちゃんと見に来て、そんで今と同じように「すごい」って言ったんだよな

そんなことを思い出しながら

「それ、すんごい昔も言ってた」

そう笑うと「そうだっけ？」なんてやっぱり脳内あっぱらぱーなこいつは笑うけれど
そんな俺も相変わらず照れ隠しのように「まぁ…さんきゅ」と言う

でも

「でも、今日、なんか…瑞稀から、いい男の匂いがする」

なんて
ニヤっと笑うこいつはやっぱりどこか鋭いやつだから

こいつには敵わねぇなと思いつつも
やっぱり俺は、こいつを含めたメンバーを守らなきゃっていう使命感を思い出すんだ