急に、死んでもいいわ、だなんて。Ⅱ (ページ13)

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Mizuki side

公演日初日

満員御礼の劇場ではカーテンコールで拍手を惜しみなくもらった

楽屋に戻ると
メンバーがサプライズで待ってくれていたみたいで

「みずっこん、かっこよかったぁ」
「瑞稀くん惚れたわ～」
「俺も瑞稀くんに腕をひかれたいわ～」

そう口々に言うメンバー

加えて

「はい！プレゼント！」

そう作間が差し出してきた紙袋を開けてみると

「お芝居、うまかった…からの～馬の被り物～！」

という訳の分からないものを貰ったりして

昔っからの仲のメンバーたちにラブシーン見られるのは気恥ずかしいけれど

でも

いちエンターテイナーとして同業者に“よかった”といってもらえることは何よりもうれしくて

そして
何よりもメンバーとふざけ合えるこの何気ないいつもの時間が幸せで

少し顔がにやける

でも
そんなことをしていると

「おいー、井上～囲み取材行くぞ」

そうマネージャーが呼ぶ

「あ、今行きます！」

そう答えて「んじゃ、またな」そう言ってメンバーに手を振って楽屋の暖簾を出て
マネージャーに呼ばれた方に向かった時だった

「ね、瑞稀、忘れもん」

そう呼びとめられて振り向いた先にははしもっちゃんがいた