さよなら、ただいま。（SK）

６ ページ6

明るい空間がさらにぴかーって明るくなって、今度は金髪の男の人が現れた。さっきの人と同じようなスーツなのにチャラい。でも茶色い瞳がキラキラ輝いて、透き通った雰囲気の。



「……なにやってんのAちゃん……！」


……え？私知り合い……？
ポカンとしてたら、そうだった人間だった、ってさっきの赤髪の人と同じこと言いながらハァーってため息ついて困った顔した。


この人たちはもしかして天使……？
ていうか私はやっぱりしんだのか？



「うーん、天使っていうほどのものでもないんだけど。守護霊っていうか、うーん霊でもないんだけど、とにかくまっすーは担当者なんだよね、あのねこちゃんの」


さっきからスーツの男の人2人に心を読まれていて、ぼんやり考えたことも全部聞こえているらしい。
金髪の男の人は、手越でーす、ってポーズ付きで名乗った。
ふふ、って思わず笑う。
私の担当者なんだそうだ。


「君のことならなんでも知ってるよ。Aちゃん」
「なんでも……？」
「例えばAちゃんが幼稚園の時にすきだったのは、ひろくん。ちなみに中学生のときに好きだった子もひろくん。別人だけど。振り向いてもらえなかったね〜」

なぜ知ってる。

「小４までおねしょしてたよね！」
「……！」
「あ！あとね、Aちゃんはね、雨降ってると嬉しいでしょ。傘持っててもささないで帰ったりしてさ、走った時と歩いた時それぞれどの部分がどれくらい濡れるのかとか研究してたよね小学校の時！」
「……」
「高校3年生まで飼ってたゴールデンレトリバーの名前は、るーくん。今でもレトリバーを見ると涙が出ちゃうよね」

「…なんでそんな……」
誰にも言ってないようなことを知ってる……


「担当だからね？あとね〜、Aちゃんが一番可愛かったのは高校ん時だなー！あの制服がかわいくて！スカートのプリーツがしゃらーんてなって！素材感がいいよねあのスカート！あと紺ハイ似合ってた！超可愛かったよ！さすがうちの子！」

やばい人かなこの人。
JK好きかよ。

「いやいやいや俺そういう煩悩とかもう全部終わっちゃった人だから警戒しないでよ〜！じゃないとこの仕事やってないからぁ〜」

あっはっは！って目元をくしゃってして、大きく口開けて笑ってる。

７→←５

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す