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手越さんがそばにきて、指輪の裏を私に見せる。
「見える?」


数字とアルファベットが彫ってある。

数字は、ああ、つきあいはじめた記念日だ。
Dear、のあとに私の名前。



シゲ。

思わずリビングに飛び込んで、シゲの方に駆け寄る。触れたくて伸ばした手は、シゲの身体に確かに届いたのに、すうっと感覚もなく空を切った。

こんなに近くにいても、もうあの瞳が私をとらえることはないんだ。
あの丸い指先で頬を撫でてもらうことも、シゲの硬い黒髪に指を挿すことも、隙間がなくなるくらいぴったり抱きしめあうことも、できないんだ。


今ならこんなにわかるのに。
シゲがちゃんと私を見ていてくれて、すきでいてくれてたってことが。


涙がもう止まらなくて、シゲのそばでうずくまって、声をあげて泣いた。





.






しばらくわあわあ泣いて、ふと見上げたら、シゲはいなくて、真っ白な空間に一人でいた。




手越さんもいない。


耳が痛くなるくらいの静寂。
どこまでも真っ白な空間。

「A」


急にどこからか私を呼ぶ声が聞こえる。
知らない声だけど、懐かしいような。
性別も年齢もわからない声。
何もない空間に響く。


「…だれ…」

「あなたを、戻すことにします。あの日の夜に」

「え……!」

「もう一度ここに戻ってくる時までに、きちんと課題を終わらせてきなさい」


白い空間がさらに明るく光って、手越さんと増田さんが現れる。

2人ともニコニコしてる。




.

手越さんが私に近づいて、手を握る。

「Aちゃん、いってらっしゃい。まだまだ終わってない宿題いっぱいあるし、たぶん辛いことも、まだたくさん、ある。でも、大丈夫だから。うまく言えないけど、Aちゃんは大丈夫。最期は遅かれ早かれここに帰ってくるんだから、やりたいことをちゃんとやって、たくさん愛されて、帰っておいで」



手越さんの茶色の透き通ったビー玉みたいな瞳がゆらゆら揺れるのを見ていたら、いつの間にか眠たくなって、

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設定タグ:NEWS , 加藤シゲアキ , じぇにー   
作品ジャンル:ファンタジー
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ゆっちゃん - もうスッゴい感動です!いつの間にか涙腺崩壊してました(;つД`)またこのような作品が読みたいです! (2018年4月27日 0時) (レス) id: 690f139b43 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE - 超感動で泣いてしまいました。マジ感動作。今回みたいな感動作また作ってください! (2017年3月31日 0時) (レス) id: 3e63f40173 (このIDを非表示/違反報告)
chi(プロフ) - 泣きました。そして話の中でのことすごく分かります。友だちに話の内容的なことを言われたばかりでした。すごい!と驚きました。 (2017年2月20日 0時) (レス) id: f8c9543924 (このIDを非表示/違反報告)
有咲(プロフ) - 初めまして。もう、毎回じぇにーさんにはキュンキュンさせてもらっているか、涙腺崩壊させてもらってます。遠回しな恋物語、なかなかくっつけさせない感じ大好きです♪これからも、頑張ってください!! (2017年1月8日 16時) (レス) id: fd3021356a (このIDを非表示/違反報告)
杏離サマ/@ラ(プロフ) - はじめまして。すっごい感動していつの間にかぼろぼろ泣いてました。次の作品も楽しみにしてます! (2016年12月18日 10時) (レス) id: bb5adfcd27 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:◯じぇにー◯ | 作成日時:2016年12月8日 23時

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